熱い思い胸に“変身” 長崎県内のコスプレーヤー

イベントで自己表現、SNSも活用

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 多彩な衣装やメークで、アニメやゲームのキャラクターになりきるコスプレ。かつては「オタク」の趣味といわれていた。しかし、いまや内閣府の「クールジャパン戦略」の一つとして、海外でもイベントが開かれるほど日本のポップカルチャーとして認知されるようになった。県内でも地域活性化などを目的に撮影会などが開かれ、注目が集まっている。さまざまな熱い思いを胸に“変身”するコスプレーヤー(レイヤー)を取材した。
■ 「いいね」
 今年7月、島原市内のホテルで開かれた「島原コスプレの乱」。会場のプール付き庭園には、20代を中心に県内外から約50人のレイヤーが集まった。主催者の松尾建国(たつくに)さん(47)は昨年から数回、島原城などでコスプレの写真撮影を楽しむイベントに携わっている。「若者が新しい形で観光地を楽しむことが、地域活性化につながれば」と意義を話す。コスプレには元々興味がなかったが、イベントに関わったことでレイヤーとして目覚めたという。この日はアニメ「銀魂」の主人公、坂田銀時に扮(ふん)して会場を盛り上げた。
 スタッフのあずきさん(男性・25)は、青い着物のコスチューム姿で、ゲーム「刀剣乱舞」に登場する三日月宗近になりきった。以前は女装に興味があったことから、美少女キャラクターのコスプレに挑戦したこともあるという。会員制交流サイト(SNS)にその写真をアップしたところ、「友人から『いいね』と言われうれしかった」と振り返る。「性別にとらわれず好きなキャラクターになりきれれば、それでオッケー」
 天使をイメージしたオリジナルのキャラクターで参加者の目を引いたのは、あーたんさん(女性・23)。高校のデザイン科で学んだノウハウを生かし、衣装も自分で手作り。レースの髪飾りや靴まで真っ白に統一し、コーディネートした。「自分にしかつくれない世界を表現できるのがコスプレの魅力。イメージ通りのキャラクターに仕上がった時は、やりがいを感じる」
 コスプレイベントはレイヤーがそれぞれカメラマンを連れてきて、写真を撮ってもらうケースが多い。そうしたカメラマンの中には、何種類ものカメラを使い分け、有料で撮影を請け負うプロもいる。レイヤーにとって、コスプレ写真は自分の魅力を最大限に引き出した「作品」。だから出来栄えにはこだわる。きれいに撮れた写真をソーシャルメディアで配信することで、知名度が上がりアイドル化するレイヤーもいる。
■ つながり
 一方で、アニメやゲームの愛好者が、同じ趣味の人と交流を楽しむためにコスプレをするケースもある。8月に長崎市内であったフリージャンルの即売会イベント「気分は上々」。アニメ「黒子のバスケ」の緑間真太郎に扮した、しゃのさん(女性・22)は「同じ作品のキャラクターの格好をしている人とは話が合い、すぐに仲良くなれる。コスプレをすることで、人とのつながりができやすくなった」と笑顔で緑色の髪をかき上げた。

コスプレ仲間と写真に納まる、しゃのさん(左)=長崎市茂里町、長崎ブリックホール
刀剣乱舞のキャラクターになりきる、あずきさん=島原市弁天町2丁目、ホテル南風桜
自分自身で考案したキャラクターに扮するあーたんさん=島原市弁天町2丁目、ホテル南風桜