平塚80歳女性強盗殺人、実行犯に無期懲役求刑 地裁公判

 神奈川県平塚市の住宅で昨年2月、1人暮らしの女性が殺害され現金などを奪われた事件で、強盗殺人などの罪に問われた塗装工の男(24)=東京都大田区=の裁判員裁判の論告求刑公判が20日、横浜地裁(青沼潔裁判長)であった。検察側は「実行犯として主体的に犯行に関与した」とし、無期懲役を求刑して結審した。判決は25日に言い渡される。

 この事件では、被告とともに無職の男(23)=奈良県香芝市=も同罪などで起訴され、今後公判が開かれる見通し。インターネットのサイトで仲間を募り殺害を指示したとされる男=当時(49)=は事件後に病死しており、被疑者死亡で不起訴になっている。

 検察側は論告で「(病死した男からの)報酬を目的に自らの意思で犯行に加担したことは明らか」と斉藤被告を指弾。実行犯として無職の男を「ネットで誘うなど主体的に関与しており、(病死した)男と同等の責任を負うべき重要な役割を担った」とした。

 弁護側は「(病死した)男の指示なしに遂行できるものではなく、男との関係で明らかに刑事責任の差が認められる」と反論。情状を考慮して刑を軽減する酌量減軽を求めて、有期刑の上限に当たる懲役30年が相当との意見を述べた。

 被告は最終意見陳述で「私利私欲で女性の命を奪ってしまった。本当に申し訳ない」と謝罪した。

 起訴状などによると、被告は病死した男や無職の男と共謀し、昨年2月21日未明、平塚市札場町の女性=当時(80)=宅に侵入、就寝中の女性の首を絞めて殺害し、現金約20万円を奪うなどした、とされる。

横浜地裁

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