島原「秋桜まつり」中止 猛暑、害虫被害で生育不良 毎年10~11月開催 火張山花公園

 長崎県島原市上折橋町のしまばら火張山(ひばるやま)花公園で毎年、10月上旬から11月中旬にかけて開催されている「秋桜まつり」が、夏の猛暑と害虫被害でコスモスの生育が悪いため中止されることになった。

 公園を管理、運営するNPO法人芝桜公園をつくる会の松本良一理事長(63)によると、園内の3ヘクタールに例年通り、8月上旬にコスモスの種をまいた。8月末には膝ぐらいの高さになるが、猛暑となったことしは10センチほどにしか生育せず、強い日差しで葉も焼けたような状態だった。加えて、8月末から9月上旬にかけての降雨でコスモス畑には雑草が生い茂り、ガの幼虫、ヨトウムシが大量発生。雑草やコスモスの葉を食い荒らしたという。

 松本理事長は「秋桜まつりはことしで6回目の予定だったが、中止は初めて。9月初旬には園内の道路にもヨトウムシがはっていたほど。ヨトウムシを駆除するため、殺虫剤もまいたが手遅れの状態だった」と肩を落とした。

 園内を毎日散歩しているという同市六ツ木町の松田州江子さん(66)は、雑草が生い茂ったコスモス畑を前に「辺り一面に赤、白、ピンクの花が美しく咲き、毎年楽しみにしていたが残念でならない」と寂しそうに話した。

 一方、秋桜まつりに合わせて、園内の2ヘクタールで花を咲かせているヒマワリは順調に育っており、10月上旬から見ごろを迎えるという。同20、21日には島原農業高の和太鼓演奏などのイベントも開催予定。

雑草に覆われたコスモス畑を指さす松本理事長。コスモスはほとんど見当たらない=長崎県島原市、しまばら火張山花公園
雑草やコスモスの葉を食い荒らしたヨトウムシ

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