国内では対馬にしか生息していないキンオニクワガタを、対馬市立厳原小3年の浦谷泰成君(8)=長崎県対馬市厳原町宮谷=が飼育している。浦谷君は見つけた虫の生態と“レア度”をノートに書き込んでおり、キンオニクワガタについては「レア度マックスの10」と評価。「初めて見つけたクワガタだから、友達に見せてあげたい」と意気込んでいる。
対馬の自然と文化を守る会などによると、キンオニクワガタはオニクワガタ属で、体長2~4センチ。東シベリアから中国東北部、朝鮮半島などに分布しており、日本では対馬にだけ生息している。オニの角のようにいかつく発達した大アゴと、体が暗赤褐色でわずかに黄銅色の光沢を帯びていることから「キンオニクワガタ」と名付けられたとみられる。
浦谷君は多くの虫の名前を知っていることから、幼稚園時代のニックネームは「虫博士」。昨年の夏休みの自由研究では、見つけた虫を写真付きで記録。珍しさに応じて1~5の“レア度”を付けており、アゲハチョウは「レア度1」、大きなヒラタクワガタは「レア度5」などと分類している。
キンオニクワガタは今月15日、自宅がある集合住宅の外廊下に止まっているのを、父の哲治さん(39)が発見し、泰成君と捕獲。体長約3・5センチのオスで、虫用ゼリーを与えるなどして大切に飼育している。
対馬の自然と文化を守る会の境良朗(よしあき)事務局長(66)は「野外個体の日本ギネス記録は体長3・88センチなので、かなり大型。ぜひ最後まで面倒をみてほしい」と話している。