2019年のシートを探すクビカ、ウイリアムズF1以外の選択肢も視野に

 ウイリアムズF1チームのリザーブドライバー兼開発ドライバーを務めるロバート・クビカは、2019年の活動について決めるうえで、ウイリアムズ、あるいはF1に限定することなく、選択肢を探っていきたいと述べている。

 2011年にラリーで重傷を負い、F1キャリアの中断を強いられたクビカは、2018年に復帰の可能性を探っていたが、セルゲイ・シロトキンとのシート争いに敗れた。しかしウイリアムズのランス・ストロールは2019年にフォース・インディアへ移籍するとみられており、クビカは後任として採用される可能性もある。

 もしそうなれば、クビカは2010年のアブダビGP以来初めて、F1レースへ復帰することになる。

 しかし33歳のクビカは、彼の選択肢は決してウイリアムズのシート獲得だけに限られているわけではないと主張した。

「なぜ人々が僕をこのチームにだけ関連づけるのか分からない」とクビカはSokolim Okiemに語った。
「僕が間違えているのかもしれないけれど、でもウイリアムズは僕とは違う優先順位を考えていると思う」

「来年何をするか選択する上で、これからの数日から数週間が重要になるだろう」

「今はまだウイリアムズとの契約に縛られているが、様子を見ていくよ」とクビカはTurun Sanomatに語った。
「彼らからすると(決断に)長い時間をかけても問題ないと思っているのかもしれないが、僕は自動的にここに残るわけではない」

「僕のアプローチは、3日前、3週間前、3カ月前から変わっていない。もしウイリアムズのシートのひとつが空くのなら、僕は準備ができている。空きが出るか出ないかは、僕が決められることではないが」

■クビカはトロロッソ・ホンダの候補のひとり?

 チームの優先順位に関するクビカのコメントは、ウイリアムズがメルセデスからエステバン・オコンにシートを与えるようプレッシャーをかけられていることをほのめかしているかもしれない。

 オコンはストロールの移籍によってフォース・インディアのシートを失うとみられている。メルセデス・モータースポーツのトップであるトト・ウォルフは、オコンに2019年のグリッドでの居場所を見つけたいと発言しており、ウイリアムズが有力な候補となっている。

 もしその計画が進められれば、ウイリアムズはメルセデスパワーユニットの支払いについて優遇措置を受けられる可能性もある。しかしその場合、クビカのF1復帰という夢のような筋書きはまたも実現せずに終わるかもしれない。

 しかしクビカはトロロッソ・ホンダの2019年ドライバー候補のひとりであるとのうわさもある。レッドブルのモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコは、クビカがジュニアチームであるトロロッソのシートの大勢の候補者のなかのひとりであると示唆しているのだ。

「それは僕にとってニュースだ」とクビカはトロロッソのうわさについて尋ねられて答えた。
「マルコからは連絡がないから、その可能性についてはまったく知らなかった」
「でももし僕と話がしたいなら、彼は僕の居場所を知っている」

 とはいえトロロッソのシートをつかむのも簡単ではなさそうだ。ダニール・クビアトの復帰が確定したとの報道があり、一方でフランスのL’Equipeは、パスカル・ウェーレインが有力候補に浮上したと伝えている。ウェーレインはF1復帰への選択肢を増やすため、メルセデスとの契約を今季末で終了することを決めた。

「僕は新たな挑戦とチャンスを探している。今は他のチームと来シーズンのシートについて話をしている」とウェーレインは明らかにした。

 クビカは、F1シートを見つけられない場合、完全にF1を去って、自身にとってベストだと目される他の場所でのチャンスを探す可能性があると示唆した。

「自分が一番満足できることが何かを理解したい」とクビカは語った。
「最も満足のいくゴールを見つけたい。必ずしも短期的なものだけでなく、長期的なものも含めてだ」

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