金属行人(9月21日付)

 20日に全国小棒懇談会が開かれ、里嘉郎会長(新日鉄住金執行役員建材事業部長)は会見の冒頭、台風21号と北海道地震の被災者に対するお見舞いの言葉を述べた。里会長がお見舞いの言葉で会見を始めたのは6月以降3回連続(8月は休会)。「3回も続けてお見舞いを申し上げること自体、異常に感じている」と感想を述べた▼6月は大阪府北部地震、7月は中国地区で豪雨災害、9月は台風21号に北海道胆振東部地震と、今年は大きな自然災害が頻発。小棒懇のエピソードを持ち出すまでもなく、自然災害の多さに異常を感じている人が大多数だろう。関東ではゲリラ的な豪雨が続いており、まだまだ気象情報から目が離せない▼里氏は今年4月の会長就任時、「小棒は〝安心・安全〟なインフラを支える業界だ」と抱負を述べた。今回の会見でも災害頻発を受けて「小棒は災害の復旧・復興に必要な資材。その前の防災・減災にも貢献できる」と、社会的使命がますます高まっていることを強調した▼防災や減災を進める「国土強靭化基本法」が制定されたのが2013年。今年は法制定から5年目の見直しの年に当たるため、里会長は「年末にも示される見直し法案も踏まえ、小棒業界として使命感をもって事業に取り組んでいきたい」と力を込めた。

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