長時間登庁できず-教訓に 産山村、職員の地震対応マニュアル作成 補い合い臨機応変に

産山村が作成した危機管理マニュアル。職員の対策行動を流れ図や表で見やすく示している

 熊本県産山村は、大地震発生時に職員の行動基準となる危機管理マニュアルを作成した。熊本地震で一部職員が長時間登庁できなかった点を踏まえ、職員同士で職務を補い合う柔軟な対応を求めている。

 村によると、熊本地震では、道路の寸断や家庭の事情で全職員43人(当時)のうち2人が翌日に登庁した。避難所運営や情報伝達などの職務に大きな支障はなかったものの、現在も職員の4割近くが村外から通勤しており、災害時の迅速な登庁が課題の一つだ。

 マニュアルは、風水害などを含む共通編と地震対策編で構成し、村防災対策要綱を補完する内容。地震が発生した際、勤務時間の内外別に安全確保や状況確認の方法を明記し、流れ図や表で対策行動などを示している。

 震度5強以上とする全職員の登庁基準や配置体制に変更はない。登庁できない場合の職員の具体的行動や、詳細な役割分担の明記は見送ったという。

 村内在住の中村祐介・総務課長は6年前の豪雨災害の際、県道の土砂崩れで迂回[うかい]を余儀なくされ、登庁が遅れる経験をした。「村内にいても迅速に登庁できるかは不確実で、職員同士で補い合うのが現実的。災害に備える職員の意識は高く、臨機応変な対応ができるマニュアルを目指した」と説明する。

 昨年7月2日未明の震度5弱の地震や、今年7月6日の豪雨は全職員の登庁基準ではなかったが、全員が早期に自主登庁。台風や大雨の予報が出ると、車中泊などで村内にとどまる村外在住の職員もいるという。

 ただ、9月定例村議会一般質問では「(マニュアルは)大枠を示しただけ。職員が登庁できない場合など、さまざまな事態の想定が必要ではないか」と指摘された。

 山間地であることから若者らに敬遠され、村職員採用試験の応募は少ない。職員確保も課題で、市原正文村長は「少ない職員で全ての対応は困難。地域の協力は不可欠。自主防災組織の拡充など、災害時は住民の力も借りながら対応したい」と理解を求めた。

 村は消防団員向けのマニュアルも作成済み。中村課長は「住民を対象に防災リーダーの育成を進めており、非常時には職員OBの応援要請も検討したい」と話している。(岡本幸浩)

(2018年9月21日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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