【平成の長崎】119番 より速く的確に 新通報システム事業 2月から仮運用へ 長崎消防局 最新機能、指令室も移転 平成6(1994)年

 火災発生や急病などの緊急事態の際、119番受信から出動までをより迅速に、より的確に行うため、長崎市消防局(同市興善町)が平成4年から進めていた指令室の移転、新通報システム導入事業は準備がほぼ完了。2月1日からの仮運用、3月中旬の本格稼働開始に向け、職員は最後のデータ入力作業に追われている。
 中央消防署内にある現在の指令設備は昭和47年に導入されたもので機能が古く、場所も手狭。119番通報を受けた係員が災害の発生場所、種類、規模などから出動する車両数、人員といった部隊編成をし各消防署、出張所に指令するなど手作業、経験に頼っている。
 新通報システムは、県内では佐世保市消防局が取り入れている最新型。導入に併せ、指令室も国道を挟んで向かい側の長崎市消防局4階に移転する。部隊編成については、あらかじめ入力されているプログラムに従いコンピューターが自動処理。合成音声が指令を出し出動までの迅速化を図る。
 また管内(長崎市と西彼十町)の地図や防火水槽など水利の位置、病院、学校、福祉施設、デパートなどの見取り図をインプットし、モニターで災害発生地点を確認しながら部隊を的確に誘導。病院情報表示盤もさらに充実させるほか、独り暮らしのお年寄りや障がい者が緊急の場合、受話器を取らなくても指令室と話ができる「ペンダント通報システム」も取り入れる。
 新システム導入について赤瀬誠指令課長は「これで出動までの時間が短く、そして確実になるはず」と話している。
(平成6年1月12日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

新通報システム導入を間近に控え、指令台の調整をする職員ら=長崎市興善町、長崎市消防局

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