京都の寺社に人出戻る 台風21号襲来、境内復旧も進む

拝観を再開した大覚寺を参拝する外国人観光客。関西空港の鉄道運行再開などで、さらなる参拝者数の回復が期待される(17日、京都市右京区・大覚寺)

 台風21号の襲来から2週間以上がたち、復旧が進んだ京都の寺社で3連休には拝観再開が相次ぎ、参拝者が戻りつつある。関西空港からの鉄道も復旧し、今週末から再び訪れる3連休に向けて、外国人参拝者の回復にも期待しながら本格的な秋の観光シーズンに備えている。

 宸殿(しんでん)や客殿などに被害を受けた大覚寺(京都市右京区)では、風雨で外れた板戸や襖(ふすま)をはめ直し、畳も乾かして拝観を再開した。境内も復旧が進み、外国人はやや減ったが、3連休には日本人の参拝者を中心に徐々に人出が戻ってきた。10月1日午後1時から始まる嵯峨天皇直筆となる般若心経の60年に1度の公開「戊戌(ぼじゅつ)開封法会」を控え、同寺は「安心して参っていただけるようにさらに境内の復旧を進めたい」としている。

 知恩院(東山区)でも方丈庭園などを通常通りの一般公開に戻した。秋の彼岸を控え、参拝者は増えつつあり、同院は「境内の雰囲気は台風前と変わらなくなってきた。ただ、一部に倒木が残り、建物の目に見えていない部分に損傷もあり得るので慎重に点検を重ねる」という。

 伏見稲荷大社(伏見区)では、途中から通行止めにしていた稲荷山の登拝を再開した。

 一方、山間部に境内が広がる寺社では倒木が多く、影響が残る。醍醐寺(同)では三宝院に加え、霊宝館の公開を再開したが、上醍醐や伽藍(がらん)は拝観停止中。高山寺(右京区)では石水院の拝観を再開したが、全域での参拝再開に時間を要するという。

 京都府教育委員会文化財保護課によると、国や府の指定・登録文化財の台風被害は府内で計281件に及ぶ。京都市内で最大瞬間風速が戦後最大の39・4メートルを記録する暴風が吹き、文化財が集中する市内を中心に古い建物や木々の多い寺社で屋根瓦や塀が壊れ、倒木が相次いだのが特徴だ。府内の損害額は、近年最悪だった2004年の台風23号(5億円)を上回り、約10億円と見積もっている。

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