長崎市教委は2月23日、同市が着工している総合運動公園(同市柿泊町)内の埋蔵文化財試掘調査で旧石器時代の尖頭器(せんとうき)=やりの穂先=など約100点の遺物が出土した、と発表した。公園の整備工事と調整しながら4月から1年間の本格調査に入る。
同公園予定地内には、県教委の遺跡マップに記載された周知の埋蔵文化財包蔵地「柿泊遺跡」があり、市教委は着工前の平成5年8月から平成6年1月にかけて計85カ所で試掘坑(2メートル四方)を掘り、事前調査してきた。
そのうち45カ所から遺物を確認した。主なものは約1万5000年前から2万年前の旧石器時代の安山岩製剥(はく)片尖頭器、黒耀(よう)石製削器=ナイフ=、6000年前の石鏃(せきぞく)=矢じり=など。
旧石器時代の周知の遺跡は同市内でほかに5カ所あるが、いずれも地表の踏査で遺物が見つかっているだけ。発掘調査で旧石器の遺物を含んだ地層が確認されたのは今回が初めて。市教委は「工事と調整しながら発掘調査するので、公園整備には支障は出ない、と判断している」と話している。
(平成6年2月24日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】旧石器100点が出土 総合運動公園「柿泊遺跡」 4月から本格調査 平成6(1994)年
- Published
- 2018/09/24 00:00 (JST)
- Updated
- 2018/12/11 12:23 (JST)
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