大震災教訓を伝えたい 南三陸訪問の中学生が報告会

 東日本大震災の被災地、宮城県南三陸町を訪れた長崎県南島原市内の中学生24人の報告会が19日、市役所であった。生徒らは被災者の体験談を聞くなどして得た教訓を、身近な人たちに伝えていきたいと決意を述べた。
 2011年度から同町への支援を続ける市の「心のふるさと交流事業」の一環。11~15年度は南三陸の小中学生を招き、16年度からは南島原から中学生を派遣している。今回は8月21~25日、4泊5日で同町各地を巡った。
 南三陸町では、住民らから体験談を聞いた。役場の男性職員は運転中に津波に襲われたが後部のガラスを割り脱出。濁流に流されないよう電柱から延びた電話線を体に巻き付け生き延びた。清掃奉仕をした公営住宅の住民も当時の生々しい体験を語ってくれたという。
 生徒たちは、板やタイヤチューブを使って緊急時のいかだ作りを学習。段ボールと毛布で暖を取る避難所体験もした。
 報告会は9人が出席。「改めて命の尊さを感じた。いつ災害が起きてもみんな助かるよう、学んだことを周りの人に伝えたい」「募金など自分にできることをしていきたい」などと感想を述べた。松本政博市長は「今の気持ちを生涯忘れず大事にして、日々の生活を送ってほしい」と話した。

公営住宅の住民(右3人)から被災体験を聞く生徒たち=宮城県南三陸町(南島原市教委提供)

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