結核 長崎県ワースト2位 10万人当たり16・8人

 長崎県内で2017年に新たに結核を発症し、患者として登録された人は227人で、人口10万人当たりの新たな患者数を示す罹患(りかん)率は16・8となり、全国で大阪府に次いで2番目に高かった。結核予防週間(24~30日)を前に、長崎県内各保健所は結核に注意するよう呼び掛けている。

 厚生労働省の統計によると、長崎県の罹患率は年々減少傾向にあるが、2000年以降は毎年全国平均を上回っている。長崎県医療政策課は「結核は高齢者の発症が多いため、高齢化率の高さも影響しているのではないか」と分析している。

 長崎県内各保健所管内の罹患率(15年)は、県南(島原市、雲仙市、南島原市)の22・8が最も高く、以下県北(平戸市、松浦市、北松佐々町)20・3、長崎市17・5、県央(諫早市、大村市、東彼杵郡)15・7、佐世保市14・5-と続く。

 結核は、結核菌が引き起こす肺の病気。発症者のせきやくしゃみなどから空気感染し、免疫力が低下していると発症する。せき、たん、微熱などの症状が出るほか、喀血(かっけつ)や胸痛などが見られることもある。

 同課によると高齢者は症状が現れにくいことも。気付かずに他人に感染させてしまう恐れもあり、注意が必要という。

 同課は「結核は昔の病気ではない。病気についてよく知り、予防に努めてほしい」としている。

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