丸ノ内線 新型車両2000系のプロフィール_東京メトロ公式資料全文

新型車両2000系とは

現在丸ノ内線で活躍している02系のデビューが1988年10月。

2000系は2019年2月に運行開始予定なので丸ノ内線としては約30年ぶりの新車となります。

今回の新型車両はさまざまな個所に丸みを持たせています。

車両前面のガラスに丸みを持たせるとともに、車端部の窓も「丸窓」を採用しました。

車内についても開放的な車内空間を演出する球面形状の天井パネルを採用しました。

また初代丸ノ内線の300形と同様に赤い車体を復活させました。

サインウェーブについては、ホームドア区間でも見やすいように上部に施しています。

2000系の特徴

◆安全・安定性の向上

・片軸操舵台車を採用し、曲線走行時の安全性向上とレールと車輪の摩擦によるキシリ音を低減。

・大規模停電などの異常時を想定し、万が一駅間に停止した際にも最寄駅まで走行できる非常走行用バッテリーを搭載。

・万一脱線した場合にも、自動で列車を停止させる脱線検知装置を搭載。

・犯罪行為の未然防止に備え、車両内へセキュリティカメラを搭載。

・走行中の車両各装置の動作情報を車両基地や総合指令所等に常時伝送し、状態監視、予防保全に活用できる車両情報管理装置を搭載。

◆車内快適性の向上

・一人あたりの座席幅を拡大するとともにクッション性を改良し、座り心地を向上。

・1編成6両全ての車両にフリースペースを設置。

・1編成6両全ての車両に小物が置けるテーブルや荷物掛け、携帯電話など小電力の充電が可能なコンセント(2口)を設置。

・訪日外国人向け車両内無料Wi-Fiの設置。

・お客様の聞き取りやすい高音質の放送システム(ステレオ方式)を導入。

2000系はどこで製造しているのか

2000系は愛知県にある日本車輌の豊川製作所で製造されています。

2016年6月~2018年5月にかけて車両設計を行いながら製造していきます。

車体は床、側面、屋根、妻部分、先頭の構体をそれぞれ作り組み立て、これらを組み合わせて六面体の車体が完成します。

その後、床下や車内の電気配線や空気配管を取り付けて、床下機器を取り付けます。

最後に台車を車体に取り付けたのちに車体ラッピングを施し、各種機能確認や輪重試験、構内走行試験を終えて中野車両基地に搬送します。

電車はどうやって車両基地まで運ぶのか

8月下旬に1編成目が中野車両基地に搬送されました。

豊川から横浜までは東海道線で、横浜から中野車両基地までは6両編成の車両を3日間かけて2両ずつトレーラーで搬送しました。

中野車両基地では、車両の性能試験、試運転等を繰り返し行います。

丸ノ内線の乗務員の教育を終えて、2019年2月にデビューする予定です。

設計担当者のコメント

今回2000系は鉄道車両のデザインを数多く手掛けるインダストリアルデザイナーの福田哲夫氏と福田一郎氏監修のもと、前面に丸みを持たせて車端部には丸窓を採用し、これまでの東京メトロにはない斬新なデザインにしました。

さらに初代丸ノ内線300形を踏襲し、赤い車体にサインウェーブを配したデザインにしました。

また、2000系はこれまでの車両でも取り入れてきた車内の快適性向上の他、安全・安定性にもこだわった車両です。

銀座線1000系等でも導入していた片軸操舵台車や大規模停電などの異常時を想定した非常走行用バッテリー等を採り入れるとともに、車内セキュリティカメラや万が一脱線した場合にも自動で列車を停止させる脱線検知装置を搭載するなど新しい機能も採り入れています。

現在2000系はお客様に安心・安全かつ快適にご乗車いただけるように中野車両基地で各機器の性能試験や試運転を実施しております。

新しい丸ノ内線の顔として2019年2月のデビューをお待ちください。

(車両部設計課 永井衆氏)

中野車両基地には…

2000系の検査を行っている中野車両基地には2016年に里帰りを果たした500形があります。

現在も動態保存に向けて補修を進めています。

活躍中の02系と今回搬入された2000系も含めると3世代が揃うことになります。

同じ路線での歴代3世代が並ぶ非常に珍しい光景です。イベントなどで3世代並べてお披露目する日が来るかもしれません。

今後も東京メトロと丸ノ内線の動向にご注目ください。

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