加藤氏発言問題 江氏の役職 再任せず 共産県議らと会見で 自民党長崎県連 

 自民党県連は22日、長崎市内で常任総務会を開き、県連会長の加藤寛治衆院議員=長崎2区=の「3人以上産み育てて」発言に対し「結婚、出産は個人の自由」などと共産党県議らと抗議会見をした江真奈美県議=自民=の県連の役職を再任しないことを決めた。
 8月の総務会では「厳重注意でとどめるべきだ」と異論が出て再協議することになったが、この日は異論は出なかったという。前回異論を唱えた複数の議員は欠席した。
 江県議は5月、加藤氏の発言を受け共産党の女性県議らと会見。「不妊治療をする女性だけでなく、それを支える男性にもつらい発言であることを認識してほしい」と指摘した。
 しかし、県連執行部は共産党県議と会見したことを問題視。役職は2年交代が慣例だが、江県議の県連広報副委員長などの役職については再任せず1年程度で終えることを提案し、総務会で決まった。執行部に求められ、江県議は総務会で謝罪した。
 一方、ブログで江県議を擁護し、加藤氏の責任が問われる可能性にも言及していた前田哲也県議=自民=については、以前の方針を変更し県連組織委員長の役職を再任した。ただ、ブログに自民党県議団の分派に関する内容を書き込まないよう執行部が求めた。
 会合は非公開。終了後、取材に応じた中島廣義幹事長は「加藤会長の発言に対し江県議が会見で話した内容は賛否があり問わないが、共産党と会見したのは容認できない。これで一応決着した」と強調。加藤氏は「よほどのことがない限り人事は(県連の)三役に任せている」と話した。
 江県議は「私が会見で話した内容については問わないということだったのでありがたかった」と話し、決定を受け入れた。
 一方、県連内部には「女性に関する問題に意見することに、どこの政党かは関係ない」「事実上の処分じゃないのか」と不満もくすぶっている。

© 株式会社長崎新聞社