介護保険 制度見直しを 関係者の集い 講演で伊藤教授訴え

©株式会社琉球新報社

 2025年に高齢化率がピークになるのを控え、沖縄県内の介護職や利用者の現状と介護保険制度の在り方などについて考える「沖縄介護ウエーブのつどい2018」が23日、浦添産業振興センターで開催された。「2025年介護のゆくえ」をテーマに講演した鹿児島大学の伊藤周平教授は、高まる需要に反し「日本の社会保障制度は衰退している」と指摘し、医療・介護先進国のドイツを例に挙げた上で「社会保障制度の抜本的改革が急務だ」と訴えた。

 伊藤教授は政府の進める介護保険制度改革の目的は、増え続ける高齢者医療費を抑制するため、医療から介護を切り離し、より安上がりの介護システムに移行する背景があったと説明した。

 公的補助の大幅減額に伴い個人負担が増加したことで、保険料や自己負担分を払えない人が必要な医療や介護サービスを受けられず、やむなく在宅介護、介護離職を強いられる介護者も頻出していると指摘。また、介護従事者の給与水準が低いため、慢性的な人材不足も深刻だと懸念した。

 一方、医療・介護先進国のドイツでは介護労働に対する理解が深く、介護者の親族や友人など介護のアマチュアが介護労働を担った場合でも対価が支払われる制度を取り入れていることを説明。伊藤教授は「介護の商品化ではなく、社会化を目指そう。現場から声を上げ続けよう」と呼び掛けた。

 介護士見習いとして南風原町内の施設に勤務する真喜志麻子さんは、伊藤教授の指摘に深くうなずいた。真喜志さんは今後、正式な資格を取る予定だが、慢性的な介護士不足と低い給与水準を懸念し「介護の現状を変えるためには労働環境の改善も必要だ」と語った。