外国人の接客好評です 鶴屋百貨店の林さん(台湾出身) 勉強重ね、迅速対応

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訪日外国人向けサービスカウンターで働く台湾出身の林浩安さん。外国からの観光客に接する最前線で、「熊本の魅力を伝えていきたい」と話す=熊本市中央区

 地域活性化の切り札としてインバウンド(訪日外国人)の存在が重要視される中、熊本市中央区の鶴屋百貨店にあるインバウンド向けサービスカウンターの接客が外国人観光客らに好評だ。とりわけ台湾出身の林浩安さん(28)は外部の接客調査でも高い評価を得ており、「熊本の魅力を伝えたい」と張り切っている。

 同店2階のカウンターを訪ねると、中国からの観光客2人組が免税手続き中だった。質問に耳を傾けながら、てきぱきと手続きをこなす林さんの仕事ぶりに「対応が迅速。細かい両替など希望したことを全部かなえてくれた」とカウンターを訪れた梁翠翠さん(31)。笑顔いっぱいの様子から満足度の高さがうかがえた。

 林さんは台湾南部の高雄市出身。現地の大学で日本語を学び、熊本大出身の担任から「熊本はいい所。行ってみてはどうか」と勧められて2013年に来熊した。

 しばらく旅行関係のアルバイトをしながら苦手だったという日常会話の練習に励んだ後、16年春に鶴屋百貨店に入社。同年8月からカウンターに常駐する外国人スタッフの一人として働いている。

 カウンターには台湾や中国、インドネシア、マカオ出身の計7人がおり、外国人観光客らを対象に免税手続きや通訳、観光地の紹介などをしている。今年3月以降は周辺の商店街で買い物をした分の免税手続きも担う。

 熊本市を訪れるインバウンドの増加を受け免税手続きをする外国人も増えており、本年度に同カウンターで扱った免税件数(8月末時点)は前年度比3割増で推移している。

 多いときは1日に100人以上の利用がある多忙な中、林さんの接客は評判上々で、5月に東京のコンサルタント会社が実施した接客対応の抜き打ち調査で満点に近い点数をマークした。

 評価の理由は「安心感を与える」で、「顧客の心を察する能力が高く、リピーターにもつながっている。もはや、いなくては困る存在」と同店の人事担当者。周囲にも良い刺激になっているという。

 カウンターで働くようになり、中心市街地を歩いて「この店では何を売っているか」を独自に調査。団体で入れる飲食店といった情報を自前のファイルにまとめ、あらゆる質問に対応できるように備えている。

 熊本観光の“最前線”に立つ満足感は大きいようで、「お客さまからもらうエネルギーが力になっている」と林さん。外国から来たという、観光客と同じ目線で困り事を解決する役回りに精を出しつつ、「いつかオリジナルの熊本観光ツアーを提案できるようになりたい」と人懐っこい笑顔で夢を語る。(澤本麻里子)

(2018年9月24日付 熊本日日新聞朝刊掲載)