地震や豪雨で学校はどう子ども守る

地震発生時、経路に障害物があることを想定した避難シミュレーションゲーム=2017年10月、福井県坂井市三国南小

 6月の大阪府北部地震、岡山、広島、愛媛の3県を中心に甚大な被害をもたらした7月の西日本豪雨、9月には北海道で最大震度7を観測し41人が亡くなった地震と、大規模災害が相次いでいる。大阪の地震では、登校中に児童がブロック塀の下敷きになり亡くなった。2011年3月の東日本大震災では、津波で大勢の子どもが犠牲になった学校もあった。子どもたちが学校にいる時に災害が発生したら、どう対応するか―。福井県内の学校現場の取り組みを探った。

 「(1) 新町1班 新町2班 新緑・四日市」「(2) 三国東1班 三国東2班 三国東3班」…。体育館に置かれたポールに、地区名の札が30枚以上ぶら下がり、児童たちは集団登校の班ごとに整列した。

 6月に坂井市三国南小で行われた引き渡し訓練。地震や風水害、津波、不審者対応など児童だけの下校が危険なケースを想定し、学校で待機させ、保護者らに引き渡す。ポールは児童と保護者を混乱なく引き合わせる目印だ。

 地区ごとに担当教諭が「地区名とお子さんの名前をお願いします」と、父母や祖父母に確認。事前に記入した「緊急時引き渡しカード」をチェックし、サインすると引き渡しが完了する。2年生の男児(8)を迎えに来た母親(35)は「学校での引き渡しだけでなく、災害時にはぐれた時、どこで落ち合うかを話すきっかけになった」と話した。

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 県スポーツ保健課によると、県内全ての小中高校が2016年度までに学校ごとの「危機管理マニュアル」を整備。マニュアルに基づき全校が年1回以上訓練しており、4~5回実施する学校もある。

 日本海や九頭竜川河口に近く、地震だけでなく津波、洪水への備えが必要な三国南小は、防災・減災教育を研究する福井工大の竹田周平教授の協力で、昨年から引き渡し訓練を始めた。

 杉原澄江教頭は「2回目の訓練で、保護者も教員も手順が分かってきたのでスムーズになった」と効果を話す。昨年は全校児童の引き渡しに25分程度かかったが、今年は10分以上短縮されたという。

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 同校は、引き渡しのほかにもさまざまな訓練を行っている。昨年10月に実施した「避難シミュレーションゲーム」は災害時、経路に障害物があったり、煙で視界が悪かったりする状況を想定した。「実際の避難は自ら考えて行動しなければならない」(竹田教授)からだ。

 今年1月には長期保存できる市販品を試食する「非常食食べ比べ」を行った。定期的に食べて補充することを繰り返し、“蓄える文化”を身に付けるのが狙い。今後は▽児童各自のロッカー▽教室でまとめる▽職員室など児童の目に触れないところ―など、食料品の保管場所によって防災意識がどう変わるかを調査する予定だ。

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