『愛と法』 心が温かくなる、最高の愛のカタチ

(C)Nanmori Films

 アメリカにはゲイカップルの親がたくさんいます。ゲイのアーティストが自分とパートナーとの子育てについて語ることも当たり前にあります。それに対して、いちいち炎上したりすることもなく、それが普通なんです。

 日本で、ゲイの方々が養子を育てる、「普通」への最初の一歩を踏み出した「夫+夫」のドキュメンタリー。大阪の下町で弁護士事務所を営む二人は、少数派の方々に寄り添いながら活動しています。二人の正義は、常にまっすぐで、人間に対してすごく優しい。時に不平等な扱いに涙して、憤る二人の姿は、人間としてめちゃくちゃ魅力的です。

 そんな彼らの元に、居場所を失った少年がやってきます。その少年を育て、養育していくことを決めた二人。ドキュメンタリーを観ていると、あまりにも3人の家族の形が自然で、一体反対している人たちはなんなのだろう。と逆に考えてしまいました。先日、「生産性がない」という心無い言葉が、世間を騒がせましたが、彼らは、「愛」を作り出している。この日本に子を傷つける親がいるならば、彼らのようなお父さんに愛情いっぱい育ててもらいたい。いろんな親の形を作って、子どもの居場所を増やしてあげることが大切なんじゃないかと、映画を観た帰り道に考えました。皆さんは何を思うでしょう? まずは、この愛の形を観て考えてみてください。★★★★★(森田真帆)

監督:戸田ひかる

9月29日(土)から全国順次公開

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