ゲーム感覚で学ぶ経済 平塚の小学生が、一日大学生体験

 子どもたちに大学の学問に触れてもらおうと、神奈川大学湘南ひらつかキャンパス(平塚市土屋)で20日、近くの市立土屋小学校の児童を招いた体験教室が開かれた。専門的な講義やゲームなどを通じ、子どもたちは「一日大学生」として勉強に励んだ。

 体験教室は、同大の地域貢献や交流の一環として1994年にスタート。この日は同校の5、6年生計約30人が参加し、キャンパス内を見学するなどした。

 経営学部の大田博樹准教授の授業では、ゲーム形式で経済や流通の仕組みを学習。それぞれ仕入れ業者、販売店、消費者のチームに分かれ、架空の通貨でアヒルのおもちゃを商品にして取引を体験した。

 仕入れ業者は工場から仕入れた商品に自ら設定した値段で販売店に卸し、販売店はより安く仕入れて消費者に販売。それぞれ元手の2千円からどれだけ収益を増やせるかを競った。

 児童たちはライバル店の状況に目を光らせながら互いに値下げ競争。セット販売など工夫を凝らし、熱い商談を繰り返した。トップの4170円を売り上げたチームの5年生、高橋陽音君(11)は「安く仕入れて高く売ることを心掛けた。商売のチャンスを逃さないようにした」と振り返った。

 大田准教授は「誰でも作れる物を売るのは難しい。いかにして付加価値のある物を作れるかが重要。それができていないのが今の日本経済」と解説した。

 「人工知能の原理」と題した講義では、同大理学部の斉藤和巳教授が人工知能技術の基礎について解説。児童たちは興味深そうな様子だった。

経済の仕組みを学ぶゲームで仕入れ業者と小売店のチームに分かれ、熱い“商談”をする児童ら=神奈川大学湘南ひらつかキャンパス

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