相模原市立博物館 榎本武揚、三条実美の扁額 地元に残る痕跡展示

 明治150年にちなんで相模原市立博物館(同市中央区高根)は、「相模原にもある幕末・維新のヒーローたちの痕跡」と題した企画展を開いている。幕府方として函館・五稜郭まで行って戦った榎本武揚や、新政府の首脳を務めた三条実美の書による市内小学校の校名を書いた扁額(へんがく)など、歴史が浅いと言われがちな市内にも残る幕末・維新の著名人ゆかりの品を市民らから借りて展示している。10月21日まで。

 現在の市立新磯小学校の前身に当たる新磯学校の扁額は、榎本武揚の書。長さ150センチ、幅54センチの重厚なケヤキの一枚板で「新磯学校 武揚」と記されている。

 一方、市立上溝小学校の前身の上溝学校の扁額は三条実美の書で、長さ136センチ、幅35センチのクワの一枚板。「上溝學校 三條実美」と刻まれている。敵対する幕府方、新政府方の著名人の書で、普段は各学校に保管されている扁額を並べ、来館者の興味を引いていた。

 勝海舟から現在の同市緑区の斎藤道之輔が受けた直心影流(じきしんかげりゅう)兵法免状も展示。会場には、道之輔の子孫に当たるという斎藤功(いさお)さん(86)=同区=も訪れ、「道之輔は天然理心流も学び、道場には新選組を起こした近藤勇も訪れたと聞いている」などと話していた。

 市内上溝出身で明治天皇の侍医となった伊東方成とともに幕府最初の留学生としてオランダで医学を修めた林研海の子孫の男性も姿を見せ、興味深げに資料を見ていた。

 入場無料。9月25日、10月1、9、15日休館。

榎本武揚が書いた新磯学校、三条実美が書いた上溝学校のそれぞれの扁額を見学する来館者=相模原市中央区の市立博物館

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