グリエル兄弟がMLB初対決 弟はアクシデントで途中交代も「自分はとても幸運」

試合前に熱い抱擁を交わすグリエル兄弟【写真:Getty Images】

兄は2安打1打点も、弟は1打席目で負傷交代

 キューバ出身で元DeNAのグリエル兄弟が24日(日本時間25日)、メジャーで兄弟初対決に臨んだ。兄ユリ(ユリエスキ)が所属するアストロズが敵地トロントに遠征し、弟ルルデスJr.の所属するブルージェイズと対戦。兄弟ともにスタメンに名を連ねた。

「4番・一塁」で先発したユリは4打数2安打1打点と活躍したが、「2番・遊撃」でスタメンだったルルデスJr.は、1回に二ゴロ併殺打に倒れた際に左ハムストリングを痛め、2回守備から交代。試合前に「兄弟だけど、一旦試合が始まれば彼よりもいいプレーをして打ち負かすつもりだよ」と意気込んでいたルルデスJr.だが、ほろ苦い結果となり、兄弟“共演”は短い時間で終わった。

 アクシデントがあったとはいえ、1回に弟が二ゴロを打った際には、兄が守る一塁キャンバスを駆け抜けた。ブルージェイズの公式サイトによると、ユリは試合前の会見で「(弟の動向を)追い続けているよ。いつも試合後は全打席を見返して、彼の一挙手一投足を振り返るんだ。正直なところ、彼がこの場にいることを本当に誇りに思うし、彼がMLBの舞台に立っていることをいまだに信じられないよ」と明かし、離れた場所でプレーしていても互いの成績は常にチェックし合っているとした。

弟は今年MLBデビューし、待望の兄弟対決実現

 兄のユリは第1回~3回のWBC代表、2008年北京五輪などでキューバ代表の主軸を打ち、母国を亡命した後に2016年シーズン途中からMLBでプレー。強打のアストロズ打線の中軸として活躍している。2015年のプレミア12にキューバ代表として出場したルルデスJr.は、2016年にブルージェイズと契約、今年4月のヤンキース戦でMLBデビューを果たした。

 ルルデスJr.は「僕は恵まれているよ。自分が兄弟の中で一番下だったので、ユリだけでなく他の兄弟や父がどうやって各々の仕事に取り組んでいるか知ることができた。球場の内外で、彼らは周囲に対してとてもしっかりしているし、リスペクトの気持ちで溢れている。兄がいてくれて、自分はとても幸運だ」と、兄への敬意を表した。

 ブルージェイズの公式ツイッターによると、試合後、ユリは「母は僕らのどちらを応援するか決めきれなくて、ハーフ&ハーフのユニホームを作ったんだ」と話し、アストロズとブルージェイズのユニホームを半分ずつにしたユニホームで兄も弟も応援していたと明かした。グリエル家はキューバでも有名な野球ファミリーで、父も3兄弟もすべて野球選手。母にとって、短い時間とはいえ兄弟が相まみえたこの日の試合は、至福の時だったことだろう。

 なお、試合は5-3でアストロズが勝ち、ア・リーグ西地区優勝へのマジックナンバーを「2」とした。(Full-Count編集部)

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