脱原発「政治が決着を」 小泉元首相が横浜で講演

 小泉純一郎元首相は26日、横浜市中区で講演し、政治決断での脱原発を求めた。「最近、裁判所が原発の再稼働を認める動きが出ている」と指摘した上で、「本来、裁判所が決着をつける問題ではなく、こういう問題こそ政治が決着をつけるべきだ」と強調した。

 広島高裁が25日に伊方原発3号機(愛媛県)の再稼働を認めたことなどが念頭にあるとみられる。

 講演では、安倍晋三首相に脱原発を訴えた際のやりとりも披露。「もし総理が原発をゼロにすると言ったら、野党と協力してできる。こんなに恵まれた総理はいない」などと説得を試みたが、「言っても何も答えず、苦笑しているだけ」とぼやいた。自身が国会議員時代に「変人」と呼ばれたことに触れ、「私は変人と言われているが、原発ゼロはできるというのが常識だ」と訴え、会場を沸かせた。

 講演は県内の生活協同組合を中心に設立された「かながわ省エネルギー・再生可能エネルギー推進ネットワーク連絡会」が主催。地元神奈川での開催とあって、会場に知人を見つけ、「懐かしい顔だ」と笑顔を見せる場面もあった。

持論の脱原発を訴える小泉元首相=横浜市中区

© 株式会社神奈川新聞社