金属行人(9月27日付)

 台風シーズンが続いている。大型で非常に強い台風24号が来週初めに九州から西日本に襲来する可能性が出てきた。速度がゆっくりのため今後の進路や強さなど不明なところもあるが、BCP(事業継続計画)の観点から改めて早めの対策が必要だ▼今月4日に近畿から北陸地区などを襲った21号では、鉄鋼業界にも多くの被害が出た。台風は中心の東側で強風が吹いたり、大雨が降ったりで被害が大きくなりやすいが、21号では和歌山から大阪地区がその東側に当たり、各所で屋根やシャッターが飛ばされたり、高潮などによる冠水被害が多かった▼電炉メーカーでは「設備は問題ないが、屋根が一部飛ばされたため2日間ほど製鋼や圧延操業ができなかった」とする向きが多かった。流通ではシャッターが壊れて倉庫を開けられず製品出荷が滞った。いずれも数日で操業再開にこぎ着けたが、一部では設備の冠水により再開が遅れているところもあるようだ。一方、ある鋼材特約店では倉庫のシャッターすべてを開放。強風を通り抜けさせて被害を免れた▼いずれにしても台風など自然災害は思わぬ形で襲ってくる。安定・安全操業の観点からも屋根、シャッター、水路、防潮堤などBCP対策が改めて肝要だ。

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