元横浜FMデゲネクが語る…母国でのCL挑戦、故郷での未来

先日行われたチャンピオンズリーグのグループステージ第1節でナポリと対戦し、引き分けで勝点1を獲得することに成功したツルヴェナ・ズヴェズダ(レッドスター・ベオグラード)。

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チャンピオンズカップに出場した1991-92シーズン以来、本大会まで進んだのは26年ぶり。そこで勝点を獲得できたのは、歴史的な出来事であったといえる。

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そのピッチで戦っていたのが、ユーゴスラビアで生まれたセルビア人のオーストラリア代表DFミロシュ・デゲネク。今夏横浜F・マリノスからツルヴェナ・ズヴェズダに移籍したセンターバックだ。

彼は『BBC』に対して以下のように話し、生まれ故郷での挑戦について語ったとのこと。

ミロシュ・デゲネク 「国家としても、クラブとしても、我々国民としても、これは大きな後押しになるね。

セルビアのサッカーが死んでいないことを世界に見せつけた。レッドスター(ツルヴェナ・ズヴェズダ)はまだ生きていて、戦えることを。

最後にチャンピオンズリーグでプレーしたときには生まれていなかったので、これは本当に夢の実現だ。スタジアムに詰めかけた5万2000もの人々にとってもね。

26年前も見た人がいるかもしれないが、ほとんどの人はそうではないだろう。我々の夢が実現したんだ」 (君はバルカン内戦でクロアチアを離れてセルビアに逃れ、さらにオーストラリアへと亡命した)

「二度すべてを失ったんだ。人生を二回やり直した。今、僕はここに戻ってきた。ここは故郷だが、故郷ではない。複雑な感覚だ。

僕はその頃18ヶ月だった。あまり考えすぎるのは好きじゃないが、2つの宗教、2つの民族による、理由のない戦争だった。

政治的な理由であり、僕はそこに踏み込みたくない。好きじゃないね。政治は好きじゃない」

「戦争は多くの損失をもたらした。人々が命を失った。家を失った。クロアチア人も、セルビア人も、イスラム教徒もだ。誰もが人生を台無しにされ、親族や友人を殺された。家も何もかも失った。

ただ、これをアピールしたいわけじゃないんだ。誰もが前に進んでいく。より大きく、より良いものを見よう。将来を見て、過去を忘れよう。

美しい未来を作ろうと努力し、子どもたちにはそれを話そう。そうすれば、悪いことについては話さなくてもいいようになる。

彼らには平和で、前向きで、いい環境の中で育ってほしいよね」

(ドイツでプレーしたあと横浜F・マリノスに所属したが、今夏セルビアへと移籍したね)

「僕はレッドスター(ツルヴェナ・ズヴェズダ)のファンとして育ったんだ。自分だけじゃなく、家族全員がね。出来れば子どもたちもそうなってほしいね。

ナポリ、PSG、リヴァプールの財政的な面を見れば、望む時に勝つだけの力を持っている。

我々はそうではない。ナポリには1人で6000万ユーロの価値がある選手がいるが、我々は全員で4400万ユーロだ。

ただ、それは問題じゃない。我々の歴史、我々のファン、クラブが成し遂げてきたものを見れば、信じられない程のものさ。

だから、我々はハートを持ってプレーしている。お金のためにプレーしていない。この時にレッドスターの一員になれて嬉しいよ」

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