設備異常監視専用の熱感知器、横河電機が発売 プラント火災防止ニーズに対応

 横河電機は、製鉄所の石炭搬送用ベルトコンベアの火災検知などプラントの異常監視に特化した熱感知器を開発し、21日に発売したと発表した。汎用性の高い従来品と異なり、機能を絞ったことで導入期間を約30%短縮した。熱によるプラント故障の回避に向けた設備保全ニーズの高まりに対応する。

 新製品は光ファイバケーブルを用いる線形熱感知器「DTSX1」。従来は複数機器の組み合わせが必要だったのに対し、新製品は幅50センチ×高さ50センチ×奥行き25センチの箱に熱感知に必要な一連の機能を収めた。これにより機器の準備から設定完了までの期間を約30%短縮できる。

 最大4チャネルまで入力でき、測定距離は最長16キロメートル。光ファイバケーブルを用いた線形熱感知器としてはチャネル数が最多、測定距離は最長という。

 専用ソフトによる監視画面も用意。いち早く異常を察知し異常箇所を特定できる。

 鉄鋼、非鉄、電力、化学などのプラント向けに拡販を目指す。ベルコンの火災検知のほか、電力ケーブルラックの異常温度監視、地下構造物の火災検知、高温炉の健全性監視などの用途でも提案する。

 2019年度に50台、20年度に100台の販売を目指す。

 販売価格(税抜き)はチャネル数1が350万円、同2が400万円、同4が420万円。

 今後は新製品と自社の制御システムなどを組み合わせた火災リスク対策のソリューション提供も検討する。

© 株式会社鉄鋼新聞社