WEC富士に新たな日本人挑戦者。星野敏がデンプシー・プロトンの88号車をドライブへ

 9月27日、富士スピードウェイで10月12〜14日に開催されるWEC世界耐久選手権第4戦・富士6時間のエントリーリストが更新されたが、LM-GTEアマクラスに新たに日本人ドライバーの名が加えられた。デンプシー・プロトン・レーシングの88号車を、ポルシェカレラカップ・ジャパンやスーパー耐久で活躍してきた星野敏がドライブすることになった。

 星野は1961年群馬県出身。ビジネスマンとしてNEXUSグループの代表を務める一方、多忙なスケジュールを縫いながらモータースポーツへの挑戦を続けている。2014年にはポルシェカレラカップ・ジャパン(PCCJ)のジェントルマンクラスでチャンピオンを獲得すると、15年にはアドバイザーを務める藤井誠暢とともにル・マン24時間のテストデーに参加。また、デイトナ24時間にも挑戦した。

 16年にはふたたびPCCJのジェントルマンクラス王座を獲得し、2017年からはD’station Racingを結成。自らPCCJのオーバーオールクラス、またスーパー耐久にも挑戦し優勝を飾った。さらに18年もS耐参戦を継続し、PCCJではオーバーオールの表彰台の常連に。さらに1月にはドバイ24時間にも挑戦し見事完走を果たしている。

 今回はD’station Racingと、デンプシー・プロトン・レーシングがコラボレーションするかたちで、星野が88号車のドライバーとして加入。“実績あるブロンズドライバー”として新たなチャレンジに挑むことになった。トリオを組むのは、シリーズでWECに参戦しているジョルジオ・ローダ、ポルシェ契約ドライバーであるマッテオ・カイローリのふたりだ。

 星野は今回の参戦に向け、イタリアでポルシェ911 RSRのテストを行い慣れ親しんだ富士でのレースに挑むという。かつてはフェンシングの選手として全日本選手権で優勝を飾ったこともある星野は、会社経営者として多忙な日々を過ごしながら、日々「もっと速くなりたい」とトレーニングにも励むストイックな姿勢でレースに臨んでいる。日本の誇るトップジェントルマンドライバーのひとりとして、その活躍をぜひ期待したいところだ。

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