【MLB】デグロムが完璧8回無失点で10勝目 勝ち越し&通算1000奪三振でCY賞へ前進

10勝目を飾ったメッツのジェイコブ・デグロム【写真:AP】

24試合連続QSで自らのMLB記録も更新

 防御率でMLBトップに立つメッツのジェイコブ・デグロム投手が26日(日本時間27日)、今季最終先発となった本拠地ブレーブス戦で10勝目(9敗)を飾った。8回2安打無失点10奪三振と完璧なピッチングを見せ、最後の最後に2桁勝利に乗せ、勝ち越してシーズンを終えた。

 この日の勝利で、自らが更新中のMLB記録、連続クォリティスタート(QS、6回以上を投げ自責点3以下)を24試合に伸ばした。さらに、通算1000奪三振も達成するなど、自身のシーズンラストゲームを最高の形で締めた。

 シーズン防御率は1.70まで低下。米全国紙「USAトゥデー」によれば、1970年以降ではドワイト・グッデンの1.53(85年)、グレッグ・マダックスの1.56(94年)と1.63(95年)、ザック・グリンキーの1.66(15年)、ノーラン・ライアンの1.69(81年)に次ぐ数字となった。

 今季のサイ・ヤング賞にはデグロムのほか、シーズン300奪三振、ハーラートップの18勝を挙げたマックス・シャーザー(ナショナルズ)が候補に挙がっている。今まで、先発投手が負け越してサイ・ヤング賞を受賞した例はなかったが、デグロムは10勝9敗で無事勝ち越しに成功した。2010年にはフェリックス・ヘルナンデス(マリナーズ)が13勝12敗、防御率2.40、250奪三振で受賞した例もあり、デグロムにも十分チャンスがありそうだ。

殿堂ジョーンズ氏はCY勝へ猛プッシュ「デグロムが獲るべきだ!」

 1995年に野茂英雄と新人王を争い、MLB屈指の好打者として殿堂入りしたチッパー・ジョーンズ氏(元ブレーブス)は、自身のツイッターで「ナ・リーグのサイ・ヤング賞はジェイコブ・デグロムが獲るべきだ! 彼は今年のナ・リーグで最高の投手だ。シャーザーとノラはメッツよりもいいチームで素晴らしい年を送った。だが、デグロムは打線の援護があろうとなかろうと、1年を通じて圧倒的だった」と、デグロムをサイ・ヤング賞に推した。

 貧打にあえぎ、この日を終え、74勝84敗とナ・リーグ東地区4位に沈むメッツ。その中で孤軍奮闘したデグロムをサイ・ヤング賞に推す声は多い。シャーザーには1999年~2002年に4年連続受賞したランディ・ジョンソン(当時ダイヤモンドバックス)以来となる3年連続受賞の偉業もかかっている。サイ・ヤング賞は記者投票によって決定するが、果たして投票権を持っている記者の心に訴えかけるのはどちらだろうか。(Full-Count編集部)

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