極彩色の風 和華蘭 長崎くんち・1 紺屋町・本踊 平成納め 先陣の舞い

 染物屋を意味する町名の通り、江戸時代は染め職人が集まっていた紺屋町。本踊(ほんおどり)「稔秋染耀紺屋彩(みのるあきそめてかがやくこうやのいろどり)」は、指導する町内在住の藤間流3代目、藤間金彌師匠の門下6人が、当時の染め仕事の様子を舞踊で表現。子どもたちが秋の情景に彩りを加える。
 踊りの中で女役の踊子(おどりこ)4人が広げて見せる二つの布の柄は、残されていた当時の染め型から復刻した。藤間さんは「町の歴史も感じ取ってもらえたら」とほほ笑む。ハイライトは、踊子が川面に見立てた空に向かって、約3メートルの白い晒(さら)し布を振り上げる場面。両腕をおおらかに動かし、清らかな水の流れを表現する。
 「町のみんなに育ててもらったので、恩返しがしたい」と話すのは町内で生まれ育った藤間金千香さん(19)。子役で2回出演したが、同町の踊子は初めて。「平成はいい時代だったと思ってもらえるような奉納をしたい」と背筋を正した。
 「平成納め」のおくんちの先陣を切る一番町。所望踊では、後に控える6カ町の演し物を歌詞に盛り込み、くんちを盛り上げる。

宙に舞う白い晒し布が美しい本踊=長崎市上西山町、諏訪神社

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