【非鉄流通のいま】〈銅・真ちゅう系主体の原料問屋 赤阪商店〉多彩なチャンネル強み

 赤阪商店(本社・大阪市平野区、社長・赤阪靖之氏)は、銅・真ちゅう系主体の非鉄原料問屋。戦前の家業はうどん屋(屋号・近江屋)だったが、鋳物屋に出入りしていた赤阪靖之社長の祖父正夫氏が戦後、大阪市内の上本町1丁目で創業した。赤阪商店の設立は1949年。75年に洋三氏(靖之社長の父)が、2014年には靖之氏が社長に就任している。従業員は10人。

 「創業以来、『リサイクル事業を通じて社会のお役に立つ』ことを考えて事業を進めてきた。関連会社に輸出主体の新生メタル(2008年設立)とロシア・ハバロフスクでの金属リサイクル業者・モストビーイポーニュー(14年設立、社名は「日本への橋」の意味)の2社がある。赤阪商店を中心に3会社で多彩なチャンネルを持つことが強み。30トン以上もある機械からレントゲンフィルムまでリサイクルに取り組んでいる」(赤阪社長)。

 17年11月期売上高は2億8900万円だった。月間扱い量は約120トンで内訳は銅・真ちゅう系60%、アルミニウム15%、その他非鉄(ステンレス含む)15%、鉄10%。対象は重機、レントゲンフィルム、LED電球、パソコン、携帯電話、液晶テレビ、貴金属など。

 「今期売上高は3億円を見込む。リーマンショック前の売上高は5億円を計上。当時は製錬所行きの金銀滓やニュースクラップ類が多かった」(同)。

 赤阪商店は障がい者の就労支援にも積極的だ。「このほどアマナ(大阪府寝屋川市、就労継続支援A型事業所)と資本提携し、障がい者への継続的な支援と雇用に力を入れている」(同)。障がい者は14人(本社7人、赤阪商店寝屋川工場<寝屋川市点野>7人)を雇用。手選別や電線の皮むきなどの仕事に従事している。

 赤阪商店は元来、パナソニックなど製造業を中心のリサイクル業者で毎月の廃棄トン数が読めたという。ただこの数年は顧客の海外シフトも影響し、四半期毎のデッドストック品(例えばLED電球)が主体。ビジネスモデルは、大手家電メーカーや電炉の産業廃棄物から選別・抽出・分離の最適化を行い産廃の削減と有価物売却益の発生・増加を図るというものだ。

 「海外輸出は中国の輸入規制で荒波を被っており、年商1億円の売り上げが半減する見込み。月間約20トンのロシアでの事業は来年以降にテコ入れしたい。循環型社会の一員として、『皆さんのお役に立つ赤阪商店』を目指したい」(同)。(白木 毅俊)

会社概要

 ▽資本金=1千万円

 ▽本社=大阪市平野区加美東1―6―15

 ▽社長=赤阪靖之氏

 ▽TEL=06―6792―6308

 ▽主な扱い商品など=非鉄全般のリサイクル

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