新卒採用「ルール無用」の実態 今春卒業者、獲得競争激化で

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 京都新聞社が京都、滋賀の11大学を対象に実施した2018年春卒業者の就職アンケートで、企業の人材獲得競争が激化している実態が浮かび上がった。経団連の定めた就活スケジュールよりも早く内々定を出す企業が増えているほか、内定辞退を防ぐために他社の選考を辞退するよう求めるなど、「ルール無用」ともいえる様相を呈している。

 経団連の指針は加盟企業の選考活動の解禁時期を6月に設定しているが、アンケートでは「インターンシップで実質的な内々定を出す企業があると学生の報告があった」(同志社女子大)「5月までに内々定を出された学生の割合が半数以上を占めた」(龍谷大)などの回答があり、採用活動が早期化している状況がうかがえた。

 同志社大は「一部業界ではリクルーターが学生と接触し、厳選した学生を特別なスケジュールで選考するケースが以前から見られたが、近年、そのような選考を実施する業界の増加、早期化が感じられる」とコメントした。

 内定を出した学生の囲い込みも強まっている。大学や教授による推薦状の提出を要求するのが典型的な手法だ。推薦状を出した学生が内定を辞退すると、次年度以降に当該の大学やゼミを出た学生の採用が見送られるペナルティーも考えられることから、一定の拘束力があるとされる。

 立命館大は「理系では自由応募の選考の最終段階で学校推薦状を求めるケースが増え、学生が複数の企業をじっくり比較し、進路先を決める期間が限定されていると感じる。文系においても、内定辞退を心理的に抑止する目的で、内定承諾書や誓約書、推薦状などの書面を提出させることが一般化してきているようだ」とした。

 強要と取られかねない事例も少なくない。「内定が出ている他社に辞退の連絡をさせるケースなどが散見される」(京産大)「就職活動を終了することを条件に内々定を出す企業が増えている」(同大)「内々定の承諾書の提出が遅いと枠が埋まり、採用ができなくなると不安をあおり、提出をせかされた」(京都女子大)などの回答があった。