県人奮闘、厚真に生きる 北海道の大戸さん夫妻

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地震の爪痕が残る自宅周辺を歩く大戸洋儀さん、伸子さん夫妻。道路には亀裂が残り、崩れた斜面にはブルーシートがかけられている=27日、北海道厚真町豊沢

 【北海道厚真(あつま)町で報道部・佐藤晋】北海道胆振(いぶり)東部地震で震度7を記録し、36人が犠牲となった厚真町は、地震から3週間がたっても断水が続く地区があるが、仮設住宅用地の造成など生活再建が徐々に動きだしている。古里岩手に似た雰囲気を気に入り、同町でセカンドライフを送って16年になる一戸町出身の大戸洋儀(ひろよし)さん(75)、伸子(しんこ)さん(75)夫妻は予期せぬ被災にも「迅速な支援に感謝。めげていられない」と前向きで、地震でできた道路の段差の補修や炊き出し当番などに地域住民と力を合わせている。

 「あっという間の3週間だった」。破損した家財の運びだしはほぼ終わり、壊れた暖炉に見切りをつけて整備したストーブを最低気温が10度を下回るようになった今週から使い始めた。水道復旧は10月にずれ込むが、重いピアノも大きく移動したほどの激震に木造2階建ての住まいが耐えてくれたおかげで、厳しい冬に立ち向かうめどは立った。

 1980年代に整備され個性的な住宅が点在する約130世帯の大型団地の一画。夫妻は大阪、東京、名古屋、仙台、札幌と転勤生活を送った末、厚真町を選んだ。道内外から移住した高齢者らは日ごろから交流が活発で、近年の災害頻発を機に防災意識を高める活動にも取り組んできた。

 その地域のために洋儀さんは独居世帯の無事確認や団地内の道路の応急補修など「初動の5日間」に全力を注いだ。初期を乗り切れば復旧のプロや支援ボランティアら「戦力が整う」と先読みしたからだ。