【女児事故死】横浜市営バス停留所 横断歩道上に18カ所

 横浜市西区北軽井沢の市道交差点で8月、バス停留所近くを横断しようとした小学5年の女児が軽ワゴン車にひかれて死亡した事故を受け、市営バスの停留所の設置状況を調査していた同市は28日、横断歩道上に停車している停留所が18カ所あったと明らかにした。このうち7カ所は停車したバスが歩道を全面的にふさいでいた。市は周辺で発生した過去の事故事例などを調査した上で、停留所の移設や廃止も含めた対応策を検討する。

 事故を巡っては、現場の停留所と横断歩道との間隔が約5メートルと近く、当時は車体が横断歩道をまたぐ形で停車していた。女児は降車後、バスの後方を回って横断しようとしたところ、対向車線の軽ワゴン車にひかれたとみられている。

 事故を受け、市は市営バス全2582カ所の停留所を調査。全長約11メートルの車体が一部でも横断歩道にかかる停留所は18カ所で、歩道とバスが重なる部分は50センチ未満から全面的に歩道をふさぐ事例まであった。

 市は18カ所の停留所に注意喚起の立て看板を設置するほか、過去の事故事例も調査する。林文子市長は同日の定例会見で「安全性の評価を行った結果、問題があるバス停は、市や道路管理者、地域など関係者が移設、廃止に限らず、横断歩道の改良など総合的な安全対策の実施に向けて協議を行っていく。二度と起きてはならない」とした。

 停留所の設置は1997年、警察庁と当時の運輸省が死角をなくすために「信号機のない横断歩道から30メートル離す」などの基準を設けたが、事故現場の停留所は63年ごろ、横断歩道は71年に設置され、現在の基準は満たしていない。市は信号機のない横断歩道から約30メートル以内に停留所があるかどうかについても調査する。

 18カ所の停留所は次の通り(括弧内は方向)。

【鶴見区】▽平安町1丁目(市場)

【神奈川区】▽三ツ沢南町(横浜駅西口)▽長導寺前(同)▽道路碑前(同)▽片倉町入口(同)▽松本(同)▽羽沢幼稚園入口(同)▽滝坂(新子安駅西口)

【西区】▽戸部本町紅梅通り(浅間町車庫)

【中区】▽三渓園入口(和田山口)

【南区】▽永田台公園前(横浜駅西口)▽大岡住宅前(滝頭)

【港北区】▽港北小学校前(綱島駅)▽観音前(大倉山、川向町)

【青葉区】▽中恩田(十日市場駅前)▽奈良町(同)▽さつきが丘(青葉台駅前)

県警や横浜市による事故現場の視察=横浜市西区北軽井沢

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