相模補給廠にミサイル防衛の米軍司令部駐留へ 地元は反発

 相模原市は28日、在日米軍ミサイル防衛部隊の司令部が相模総合補給廠(同市中央区)に駐留する、と防衛省から情報提供があったことを発表した。補給廠はこれまで主に物品を保管する倉庫として使われてきたが、今後は米軍のレーダー運用部隊を指揮することになるため、市民団体は「基地機能の強化だ」と反発している。

 市によると、駐留する部隊は新設される「第38防空砲兵旅団司令部」で、人員は115人。青森県つがる市の車力通信所と京都府京丹後市の経ケ岬通信所に配備されている米軍のミサイル防衛用の早期警戒レーダー「Xバンドレーダー」を運用している部隊を指揮・統制するとみられる。

 防衛省は米軍からの情報として「(座間、相模原市にある)キャンプ座間が手狭なため、補給廠の既存の施設を利用する」と説明。レーダーなど追加の装備を導入して運用されることはなく、「駐留することによって市民の生活に特段の影響を与えるものではない」と伝えた。

 10月16日から活動を開始する予定で、人員は半年から1年かけて段階的に配属される。常駐するのか、一時的な駐留となるのかは説明がなかったという。

 加山俊夫市長は「このような情報が突然に、しかも決定事項として提供されたことは大変遺憾」と反発。黒岩祐治知事は「住民の安心のためには、より具体的な情報が必要」とし、国に情報提供を求めた。

 米軍基地の監視を続ける市民団体「リムピース」共同代表の金子豊貴男相模原市議は「基地機能の強化で絶対に容認できない。米朝の融和が進んでいる時期にどうしてミサイル防衛体制を強化する必要があるのか」と話している。

相模総合補給廠

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