油屋熊八 絵本で知って 別府市出身者でつくる制作推進室が出版

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絵本の出版を記念して企画展を開いているクニ・トシロウさん=別府市の別府大学
油屋熊八をキャラクター化した絵本が完成。奇抜なアイデアで別府観光を発展させた熊八の活躍ぶりを描いている

 油屋熊八(1863~1935年)の生涯を描いた絵本「ピッカピカのおじちゃん―別府観光の父 油屋熊八」(B5判)が完成した。別府市出身者ら有志でつくる「まんが油屋熊八」制作推進室が、絵本を通して熊八や別府の魅力を発信しようと企画。別府大学客員教授で漫画家のクニ・トシロウさん(77)が作画を担当した。出版を記念し、同大でクニさんの作品展を開いている。

 ユニークな発想で別府観光の礎を築いた熊八の生きざまに光を当て、別府の素晴らしさを広く伝えようと、有志ら数人が2013年に活動を始めた。クニさんも同大文学部教授を務めていた時に熊八に興味を持っていたことから、熊八をキャラクター化した絵本や漫画の出版を目指して共に活動。別府八湯温泉まつりの会場で来場者の似顔絵を描くイベントなどを通して寄付を集め、ようやく自費出版にこぎ着けた。

 絵本は親子で楽しめる内容。生い立ちや、女性バスガイドが案内する遊覧バスの運行、富士山頂での観光宣伝など、さまざまなアイデアで別府を宣伝した熊八の功績を生き生きとした絵で分かりやすく伝えている。巻末の「熊八写真館」のコーナーには当時の貴重な写真なども載せた。

 クニさんは「熊八について調べていくうち、人間味に引かれるようになった。別府では有名人だが、全国的には知られていない。日本観光の父として、歴史に埋もれさせてはもったいない人物」と語る。今年中には大人が楽しめる漫画本も出版する予定。

 絵本は1500部を作製。税込み千円。イベント時に販売する。郵送も可能(送料は本人負担)。メール(manga@aburayakumahachi.jp)で申し込む。 

<メモ>

 作品展は別府大佐藤義詮(よしあき)記念館で10月22日まで。熊八の他、政治家や有名人の似顔絵、猫、七福神の絵など約150点が並ぶ。開館は平日午前9時~午後5時(土曜日は午後1時まで、日曜祝日は休館)。