被害者の状況 知って 県庁 写真パネルなど展示

 カネミ油症の被害に迫った写真や資料の展示が1日、県庁1階で始まった。症状や、救済を求める運動を記録した写真などパネル16枚を展示している。18日まで。
 本県など西日本一帯で健康被害が広がった油症への理解を深めてもらおうと、県が企画。「油症事件とPCB汚染を考える2018」実行委から写真パネルの提供を受けた。
 展示されているのは、両手で顔を覆い隠しながら頭髪が抜け落ちた頭部を撮影させる人、吹き出物だらけの背中の写真を手に、街頭署名を呼び掛ける被害者の姿などを捉えた写真。これらの作品が収められた写真家、河野裕昭氏の写真集(1976年刊)や関連書籍も閲覧できる。
 県生活衛生課は「発生から長い時間が経過し、記憶は失われていっている。こういったことがあったことを、まず知ってほしい」と呼び掛けている。
 油症の本県の認定患者数は死亡や転居を含めて964人(3月末現在)。

カネミ油症の被害に迫ったパネルなどの展示=県庁

© 株式会社長崎新聞社