【速報】ケフィア事業振興会の関連会社、かぶちゃん農園(株)が破産

 かぶちゃん農園(株)(TSR企業コード:296009326、法人番号:2100001023203、飯田市川路7592-1、設立平成16年5月17日、資本金1億円、鏑木武弥社長)は10月1日、東京地裁に破産を申請し同日、破産開始決定を受けた。破産管財人には内田実弁護士(虎ノ門南法律事務所、港区虎ノ門1-15-12、破産管財人室03-5577-5808)が選任された。
 ケフィア事業振興会と関連会社の破産は計18社となった。
 負債総額は21億8600万円(平成29年8月期決算時点)。

 実父が社長の(株)ケフィア事業振興会(TSR企業コード:298080745、法人番号:7010001127512、東京都千代田区、鏑木秀彌社長)のグループ会社で、「市田柿」など食品の加工販売を手掛けていた。設立当初はケフィアたね菌を利用したヨーグルト製造を主力とし、その後に地元特産品の「市田柿」の製造加工、販売へシフト。「柿蔵姫」や「柿照姫」などブランドをもち、積極的な広告や鏑木社長がメディア露出したことで知名度が上昇し、平成22年8月期は売上高約34億7300万円をあげていた。
 しかし、23年8月期中に採算性の悪化から支払遅延が生じ、信用が低下。同期の売上高は約13億2000万円まで落ち込み、7億1612万円の赤字を余儀なくされ、財務内容も悪化した。そのため、ケフィア事業振興会に市田柿販売部門を移管し、食品加工に業態変更するリストラ策を講じていた。
 その後、ケフィア事業振興会が会員向けに高利回りの買戻特約付売買契約「オーナー制度」で売上高を伸ばし、当社もその恩恵を受け業況が回復。29年8月期は売上高32億5922万円をあげていた。
 しかし、ケフィア事業振興会が29年11月ごろから会員への配当など支払遅延が表面化。30年7月にケフィアグループ被害対策弁護団が組成され、同年8月には消費者庁が「ケフィアが債務の履行遅延」などを理由に注意喚起する事態となり同年9月3日、ケフィア事業振興会と関連3社が東京地裁から破産開始決定を受けた。また同年9月14日、同グループ12社、同月21日同グループ1社が東京地裁から破産開始決定を受けていた。
 一部の報道では当社の鏑木社長は事業継続の意欲を示していたが、信用が大きく失墜し事業継続を断念。10月20日付けで従業員約50人の整理解雇を予定していた。

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