10月1日付で営業を休止していた(株)五島産業汽船、再度の資金ショート

 10月1日付で営業を休止した(株)五島産業汽船(南松浦郡新上五島町有川郷字中筋578-10、設立平成2年5月、資本金1000万円、野口順治社長)は再度の資金ショートを起こし10月4日、行き詰まりを表面化した。
 4日、野口社長が長崎県庁で会見し、破産手続きを石橋龍太郎弁護士(塩飽志郎法律事務所、長崎市万才町6-34、電話095-824-2333)に一任したことを明らかにした。
 関連の(有)ジィ・エス・ケイ(TSR企業コード:920207359、法人番号5310002014350、南松浦郡新上五島町鯛ノ浦郷209、設立平成6年11月、資本金300万円、野口順治社長)も破産を申請する方針。

 負債は2社合計で21億円を超える可能性がある。

 沿海旅客運送業者で、ほかに海上貨物運送、船舶売買および仲介、レンタカー業などを手掛けていた。長崎~鯛ノ浦(新上五島町)、佐世保~有川(新上五島町)、佐世保~福江のほか、試験運転航路の長崎~天草(﨑津港)を運航していたが、以前から低採算が続き、平成25年4月期には9億5540万円の債務超過に陥っていた。
 累積赤字を一部解消するため26年4月、資本金を2億円から1000万円に減資。しかし、財務面は不安定な状態が続いていたうえ、30年4月期には船舶のエンジン修理に関する損失などで約2億9000万円の赤字を計上するなど、厳しい運営が続いていた。
 ジィ・エス・ケイは五島産業汽船に対する燃料販売などを手掛けていたが、同社に連鎖した。

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