横浜臨海部に連節バス 20年6月運行

 横浜市は都心臨海部の回遊性向上を図るため、水際線沿いに連節バスを運行させる。既存のバス路線を再編して山下ふ頭(中区)と横浜駅東口(西区)を結び、東京五輪・パラリンピック前の2020年6月の運行開始予定。車両は水際をイメージさせる青色とし「ベイサイドブルー」と名付けた。MICE(マイス=国際会議などの総称)施設整備や客船受け入れ機能の強化が進む中、観光客らの足となると同時に、街のシンボル的存在を目指す。

 市交通局が運行する。区間は約7・5キロメートルで、所要時間は40分。横浜駅発(下り)はMICE施設の整備が進むみなとみらい21(MM21)地区20街区や大さん橋、山下公園付近などに停車。一方、山下ふ頭発(上り)は元町・中華街や横浜赤レンガ倉庫付近を経由し、横浜駅へ向かう。

 ルートの一部は、既存の市営バス路線と重複。観光スポットを巡る周遊バス「あかいくつ」も含め、一帯の路線再編も視野に入れている。バス停の設置場所については今後、関係機関と協議を本格化させる方針。運賃は市営バス(220円)を基本に検討する。

 運行開始時点は全長18メートル、定員120~130人程度の車両4台を導入し、午前10時から午後7時台まで1時間あたり2~3本を走行。バス停でバスの位置情報を知らせ、車内で乗り換えを案内するシステムも採用予定という。予算はおおむね20億円と見込む。

 市は15年2月、臨海部再生マスタープランを策定。まちのにぎわい創出に寄与する新たな交通システムの導入方針を打ち出し、LRT(次世代型路面電車システム)や連節バスなどの実現可能性を探っていた。

 1日の市会建築・都市整備・道路委員会で、小池政則都市整備局長は「渋滞時の対応は工夫しなければならない。どういった所に駐車車両があるかなど確認しながら関係機関と連携し、運行に向けた手続きを進めたい」と述べた。

 市によると、連節バスが導入されているのは現在、全国11カ所。湘南台(藤沢市)など通勤・通学需要に対応するケースや、新潟市や福岡市のように多数の路線バスが集中する区間を軸に再編したケースがある。

横浜市が2020年6月の運行開始を目指す連節バスのイメージ(同市提供)

© 株式会社神奈川新聞社