絶滅危惧2類の野鳥 「アカヒゲ」撮った!

 長崎県五島市で動植物の観察を続ける映像作家、上田浩一さん(48)がこのほど、同市の福江島で、環境省のレッドリストで絶滅危惧2類に指定されている鳥「アカヒゲ」の撮影に成功した。これまで鳴き声は確認されていたが、その姿が写真に収められるのは市内で初めて。
 同市の鐙瀬(あぶんぜ)ビジターセンターなどによると、アカヒゲは日本にしか生息しない国の天然記念物。分布域は狭く、琉球列島の一部や男女群島などで繁殖する。県本土では2013年に撮影された例があるが、極めて珍しいという。
 全長は14センチ程度で、スズメくらいの大きさ。頭や背など体上面の羽毛はオレンジ色がかった赤色で、オスはくちばし付近から胸にかけて黒く、メスは白いのが特徴という。
 上田さんが撮影した個体はメス。9月18日の早朝、同市玉之浦町の大瀬山で渡り鳥のハチクマを観察していた際、木の枝に止まって鳴き声を上げたアカヒゲに気付き、撮影したという。

五島市で初めて撮影されたアカヒゲのメス=9月18日、五島市玉之浦町(上田浩一さん提供)

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