澁井鋼材店、浦安に「業務統括室」新設 生産管理・配送業務を分割

 平鋼流通大手の澁井鋼材店(本社・東京都墨田区、社長・澁井一朗氏)は、浦安鉄鋼団地(千葉県浦安市)の東京事業所(所長・杉山勝祥取締役)に工場の生産管理や鋼材の入出庫・配送を担う「業務統括室」(室長・同)を新たに設けた。従来は東京営業部が販売と兼ねていた業務部門を分業化することで、納期管理や運送費などのコスト削減を図るとともに、短納期対応などで顧客へのサービス向上も図る。

 業務統括室は9月の組織改正、人事異動の一環で開設。10月から実質的に始動した。これまで営業担当が受注案件を自社工場や外注先に振り分けることもあったが、今後は仕入れや加工、配送の割り振りといった一連の業務を同室が引き受ける。分業化することで内製化比率を高めたり、トラック手配の無駄を無くして諸費用を削減し、取引先への対応力も高める。

 杉山所長は「昨今はトラック運賃も上昇し、値上げが進みづらい流通業としてはコスト削減が大きな課題」と指摘。「業務統括室が仕入れから配送まで引き受けることで配車効率を高めたり、まとめて仕入れることで原価を下げたりする相乗効果も期待できる」と話している。

 澁井鋼材店は東京事業所の浦安倉庫で主に店売り向けの在庫販売を、船橋第一・第二工場(ともに千葉県船橋市)で平鋼やH形鋼の一次加工を展開している。サイズや規格などが多岐にわたる平鋼の品ぞろえや、内製化した切断・穴あけ加工設備を生かした即納体制が強みだ。

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