【卓球】石川破ったチャイニーズタイペイのエース・鄭怡静 Tリーグで活躍なるか

*写真は鄭怡静(チェン・イーチン、チャイニーズタイペイ)

先月30日で閉幕した女子ワールドカップ2018。世界女王の丁寧 (10月度世界ランキング2位・28歳)=中国=が優勝し、日本ファン、ひいては中国ファンの期待を背負った石川佳純(同4位・25歳)=全農=は3位決定戦まで勝ち残るも、鄭怡静(同7位・26歳)=チャイニーズタイペイ=に惜しくも敗北し4位となった。

この激闘を制した鄭怡静だが、世界ランキングが高い割に、あまり耳にしたことがないファンも多いのではなかろうか。実は鄭怡静は今月開幕のTリーグにもTOP名古屋から参戦が決まっている選手で、同チームの主力選手として期待されているのだ。そこで、今回はTリーグで大いに活躍をするであろう鄭怡静の紹介をしていく。

チャイニーズタイペイのエース・鄭怡静

1992年2月15日生まれ、現在26歳の鄭怡静。10月に発表された世界ランキングは7位につけている。2016年8月にトップ10入りを果たすとその後現在に至るまで2017年12月を除きトップ10を維持している。

2006年、14歳の時に世界選手権に初出場し、以来チャイニーズタイペイのエースとして10数年トップを牽引し続けている絶対的な存在である。福原愛が同じく14歳の時に初めて世界選手権代表に選出されたのを鑑みると、“台湾の福原愛”とも言える。

鄭怡静の主な戦績

2012年プロツアー(現・ワールドツアー)グランドファイナルダブルス準優勝(ペアはチャイニーズタイペイの陳思羽)
2016年女子ワールドカップシングルス準優勝
2017年世界選手権(個人戦)混合ダブルス準優勝(ペアはTリーグ・琉球アスティーダの陳建安
2017年女子ワールドカップシングルス3位
2018年女子ワールドカップシングルス3位

鄭怡静はシングルスのみならず、ダブルスでも実力を発揮できることが強みだ。特にTリーグは団体戦形式である。5番試合あるうち、先に3勝を挙げたチームが勝利となるのだが、その先陣を切る1番手がダブルスである。試合の行方を左右するダブルスにも鄭怡静は大いに貢献できるだろう。

鄭怡静の戦型

鄭怡静はフォア、バック共に裏ソフトラバー(強い回転がかかる王道のラバー。表面が平らで摩擦力が大きいため最も回転がかかり、スピードも出る。スピード重視のテンションラバーや回転重視の粘着ラバーなど種類も多い。)を貼るドライブ主戦型の選手だ。フォアハンドには回転重視の粘着ラバーを貼っている。女子選手離れしたフットワーク、パワーが持ち味だ。男性選手のような回り込みドライブ(バック側に来たボールに対して、通常通りバックハンドで打つのではなく、フォアハンドで打つこと。バックハンドより威力が出やすい。)や、台から離れた大きなラリーも得意とするため、大変見ごたえのある選手と言える。

T女子優勝候補・日本生命レッドエルフに待ったをかける鄭怡静に注目

Tリーグ女子では平野美宇早田ひな擁する日本生命レッドエルフが選手層が厚く、優勝候補とも言える。しかし鄭怡静擁するTOP名古屋もヨーロッパ卓球界を牽引してきたエリザベタ・サマラ(同17位・29歳)=ルーマニア=や、韓国のエース・徐孝元(同12位・31歳)=韓国=という強豪海外選手勢が名を連ねる。そこにアジア選手権代表の安藤みなみ(同43位・21歳)、森薗美咲(同334位・26歳)が加わり、優勝候補に待ったをかける。TOP名古屋のエースとなる鄭怡静にこれからも注目だ。

文:ラリーズ編集部
写真:ittfworld

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