平戸の秋 アゴ漁 本格化 乗組員が港で選別、箱詰め

 長崎県平戸に秋の訪れを告げるアゴ(トビウオ)漁が本格化している。豊かな香りのだしが楽しめる焼きアゴに加工され全国に出荷されるほか、かまぼこなど練り製品の原料や塩アゴとして地元で消費される。

 今年のアゴの漁期は8月末~10月中旬。全長10~20センチのホソアオトビウオやホソトビウオ、刺し身用として関西圏などに出荷されるツクシトビウオが北東の季節風(アゴ風)の影響で山陰沖の日本海から南下し、平戸島や生月島などの沿岸に押し寄せる。定置網や2隻の船で網を広げてすくう船曳(び)き網で漁をする。

 平戸市生月町の舘浦漁協(金子原二郎組合長)では1日、船曳き網の4隻が出漁し計約100箱(1箱約11キロ入り)を水揚げ。このうち、約200キロを漁獲した漁船七福丸(4・8トン)は帰港後、たも網を使って漁船からアゴを揚げた後、坂本浩一船長(43)と乗組員が手際良く選別し箱詰めした。

 漁がさらに全国的な広がりを見せたことから価格も昨年より800円ほど落ち着き、1箱2500円前後で平戸魚市などに出荷されている。同漁協は「天候にも左右される中、多くの組合員が漁に精を出している。ぜひ味わってほしい」とPRしている。

アゴを水揚げする坂本船長=長崎県平戸市、舘浦漁港

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