諫干開門問題「和解が最良の方策」 新農相、従来方針で対応へ

 第4次安倍改造内閣で就任した吉川貴盛農相は2日夜の記者会見で、国営諫早湾干拓事業の開門調査問題について、排水門を開門せず、有明海再生に向けた基金創設による和解を目指すこれまでの国の方針に沿って対応していく考えを示した。

 国は昨年4月、長崎地裁の開門差し止めを命じた判決を受け入れ、開門しない方針を明確にした。今年7月には、福岡高裁が漁業者の開門確定判決を事実上無効にする判決を出し、開門派の漁業者が反発する中、和解による解決を目指している。

 吉川農相は「基金による和解を目指すことが問題解決の最良の方策という方針で、一連の訴訟について関係省庁と連携しながら適切に対応していく」と斎藤健前農相が繰り返してきた文言を踏襲し、従来通りに対応する考えを示した。

 歴代農相が行っている現地視察については「慎重に検討する」と述べるにとどめた。

開門問題について語る吉川新農相=農水省

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