こだわり「和・華・蘭」衣装 3カ町 出来栄えに自信

 今年のくんちは「和・華・蘭」の多彩な演(だ)し物がそろい、根曳(ねびき)や囃子方(はやしかた)などが華やかな衣装に身をつつむ。椛島、大黒、出島の3カ町がそれぞれ庭見せで披露した衣装に対するこだわりを紹介する。

 ■和・椛島町

 根曳の法被は、京都の染め師が手掛けたちりめんに新調。脱いだ法被を威勢よく投げる場面で、法被がはらりと舞うように地面に落ちるよう重さを計算して製作。デザインは、いかりのマークの角度や大きさを前回と比べて微調整した。樺島町自治会の浦晧会長(79)は「良い染め上がりになっている」とうれしそう。

 ■華・大黒町

 根曳の衣装は、荒波の中を航海する船が躍動するイメージで作られ、全体に波の刺しゅうが施されている。中国南方系の原色の色合いを基調とし、明るい青をグラデーション。衣装担当で采振(さいふり)の稲澤大志さん(42)は「生地も縫製も中国製。絹地で機能性にもこだわっている」と語る。

 ■蘭・出島町

 キャピタン、先曳(さきびき)、囃子方の衣装は、衣装担当の吉岡美枝子さん(53)が自費で東京・日暮里繊維街へ出向いて仕入れ、着心地に配慮して生地を選んだ。特に先曳の女の子の衣装は、オランダの民族衣装を入念に調べ上げ、オランダ人観光客が「大変よく再現できている」と驚くほどの出来栄え。吉岡さんは「子どもたちが将来、町を支えていく大人になってくれたら」と願いを込める。

和華蘭の趣がある(左から)椛島町、大黒町、出島町の衣装=長崎市内

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