新日鉄住金の溶接軽量H形鋼「スマートビーム」、コンビニ向け採用拡大 累計200店舗、軽量化で経済設計に効果

 新日鉄住金は3日、溶接軽量H形鋼「スマートビーム」のコンビニエンスストア向けの採用が累計200店舗を突破したと発表した。ロールH形鋼に比べ同一断面性能で2~3割の軽量化が可能となるなど経済設計を実現。大和リースが手掛ける大手コンビニのロードサイド店舗の天井裏小屋梁に2017年10月に初採用されてから約1年で達成した。

 経済設計に加え、板厚2・3ミリから製造できるほか高い寸法精度も特長で加工時間を短縮できる。現在年間11万~12万トンを販売するなど順調に販売実績を伸ばしており、今後こうした材料特性に加え、さらなる省力化・合理化へ寄与すべく「スマートビーム」を扱う加工会社と協業。切断・穴あけ・塗装などを施した加工品の販売体制を構築していく方針。

 「スマートビーム」は1973年10月に鹿島製鉄所で生産を開始。これまで鉄骨系プレハブ住宅の梁材を中心に温室や太陽光パネルの架台など構造用部材として主に使用され、溶接軽量H形鋼分野では圧倒的シェアを誇る。

 熱延コイルから高周波溶接によって連続的に製造され、100種類を超える豊富な製造サイズを取りそろえているほか、素材に高耐食性亜鉛めっき鋼板「スーパーダイマ」を用いた「SDスマートビーム」も製造するなど多様なニーズに対応できる。

 新日鉄住金では優れた製品特性を武器に「スマートビーム」のさらなる拡販を図っていく。

© 株式会社鉄鋼新聞社