豊田通商は3日、モロッコ国立漁業研究所(同国農業・海洋漁業省傘下の研究機関)から海洋・漁業調査船1隻を受注した、と発表した。受注額は約50億円。船舶の建造は三井E&S造船が行う。同社は、アフリカ本部の開設などで同国向けでも多様な受注・納入実績があるが、インフラ関連では初の受注となる。
漁業は同国の基幹産業のひとつだが、近年は漁獲量が不安定になるなどで水産資源の管理が課題。そのための調査船も老朽化し、新造船が求められていた。
今回、同国では初となる本邦技術活用条件を適用した日本政府の円借款により資金が充当される。受注に際しては、子会社のCFAOと連携した。
新調査船では、深海の海洋生物や環境調査などを通じてエコシステムに基づく評価体制の構築、深海水産物の持続的開発・利用のための調査が行われる計画。
調査船は2020年に竣工し、21年に現地納入される予定。