伊『TuttoSport』が主催する、欧州で最も活躍した21歳以下の選手に贈られるゴールデンボーイ賞。この賞に選ばれた選手は将来スーパースターになれるポテンシャルを秘めた者ばかりなのだが、過去に受賞した選手たちはやや苦戦気味なのだ。
英『FourFourTwo』が過去の受賞者を振り返っているが、選手が順調に成長したケースは2007年までと言えるのではないか。
2003年:ラファエル・ファン・デル・ファールト
2004年:ウェイン・ルーニー
2005年:リオネル・メッシ
2006年:セスク・ファブレガス
2007年:セルヒオ・アグエロ
2007年までの受賞者がこのようになっているが、この5人はその後順調なキャリアを歩んだと言えよう。メッシは説明不要の存在で、ルーニー、セスク、アグエロもプレミアリーグで一時代を築いた名手だ。ファン・デル・ファールトは怪我に苦しんだが、トッテナムでも活躍している。
2008年:アンデルソン
2009年:アレシャンドレ・パト
2010年:マリオ・バロテッリ
2011年:マリオ・ゲッツェ
2012年:イスコ
イスコを除けば、他の4名はかなりアップダウンの激しいキャリアを過ごしている。マンチェスター・ユナイテッドでプレイしたアンデルソンも大活躍したとは言い難く、パトも2010年以降は目立った活躍ができていない。2010年に20歳時点でセリエA20ゴールを記録していたバロテッリも、現サッカー界を代表する問題児として記憶されてしまった。ドルトムントで香川真司らとともにブンデスリーガなどを制覇したゲッツェも、バイエルンでの失敗から思うような活躍ができていない。
2013年:ポール・ポグバ
2014年:ラヒーム・スターリング
2015年:アントニー・マルシャル
2016年:レナト・サンチェス
2017年:キリアン・ムバッペ
スターリングはジョゼップ・グアルディオラの下で開花してきているが、ポグバ、マルシャル、バイエルンのレナト・サンチェスはやや苦戦気味か。ポグバはロシアワールドカップを制したが、マンUでは大苦戦だ。マルシャルもポジションを確保できておらず、ワールドカップでもフランス代表メンバーから漏れた。レナト・サンチェスもレンタル先のスウォンジーなどで苦戦し、今季からバイエルンで再スタートを切ったばかりだ。
昨年はムバッペが受賞し、今年もロシアワールドカップを制するなどムバッペは快調に世界最高への道を駆け上がっているように見える。しかし同賞を受賞してから苦戦している選手が多いのは特徴的で、ムバッペがメッシやアグエロのように長くトップレベルで活躍できるかは分からない。過去の受賞者の現在を考えるとやや複雑だが、ムバッペはここからも成長していくのだろうか。