壮大さ体感 銀鈴渓遊歩道 轟峡に諫早市など整備

 名水百選などで知られる長崎県諫早市高来町の轟峡の自然を歩いて楽しんでもらおうと、諫早市は本年度、轟峡と上流部の大渡を結ぶ「銀鈴渓(ぎんれいけい)遊歩道」(延長1・9キロ)の本格整備に着手した。勢いよく音を立てて水が流れ落ちる境川に沿って、こけむした大岩や滝の間を縫うように登るコース。周囲の樹木も緑から赤や黄色に変わり始め、紅葉シーズンに合わせて壮大な大自然を堪能できる。

 銀鈴渓遊歩道は古くから使われていた道だったが、高来町山林協議会が6年前から歩きやすく整地したり、周囲の樹木を取り除いたりして、観光客を案内。諫早市は本年度、遊歩道沿いの滝の名前を記した案内板24枚や足場を確保する丸太などを設置する費用を初めて予算化し、同協議会の協力で整備に入った。

 2日、宮本明雄・諫早市長ら関係者約10人が遊歩道を歩き、周辺の危険箇所などを視察。170メートルの高低差がある道を約1時間半かけて歩き、下流から眺める景観や澄んだ空気を体感した。

 宮本市長は「景観を楽しめるビューポイントが多く、自然を生かしながら訪れる人の利便性を高めたい。しゃくなげ高原などと一体的な活用ができるようにしたい」と話した。

 さらに、遊歩道の終点にあたる大渡と林道多良岳横断線を結ぶ「(仮称)林道しゃくなげ線」(延長1・2キロ)も整備中で、来年度に完成すれば、近くの諫早市の花「ツクシシャクナゲ」が自生する群叢(ぐんそう)や、しゃくなげ高原へのアクセスが向上する。

勢いよく水が流れ落ちる渓流を眺めながら、危険箇所などを調査する関係者=長崎県諫早市、轟峡

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