宇多田ヒカルの登場で激変した「J-POP」 ミスチルや椎名林檎も…1999年〜2000年代の軌跡【特集】

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J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:藤田琢己)。10月4日(木)のオンエアでは、いきものがかりの水野良樹とのコンビでお送りしました。

注目の新譜・いま注目すべき名盤・話題の来日アーティストなど、週替わりで1組のアーティストを掘り下げていくコーナー「FEATURE TOPICS」。この週は、開局30周年を迎えたJ-WAVEが生みの親で、今では一般的な言葉となった「J-POP」を特集。第3回は1999年〜2000年代を振り返りました。

【1回目】「J-POP」という言葉、J-WAVEが生みの親って知ってた? その意味は…
【2回目】ドリカムの曲、J-WAVEでは『LOVE LOVE LOVE』より『サンキュ.』が好まれたワケ

■宇多田ヒカルの登場に「すげえ人が出てきた!」

音楽シーンを席巻させたのが、1998年にデビューし、当時まだ高校生だった宇多田ヒカルです。

藤田:“小室サウンド”が全盛を誇っていた当時、小室哲哉さんに脅威を抱かせた“宇多田ヒカル旋風”は、もちろんJ-WAVEにも大きな影響を与えることになりました。

宇多田さんは、1999年の『TOKIO HOT 100』年間チャートに、『Automatic』、『Movin' on without you』、『Addicted To You』、『First Love』と、4曲もの楽曲を送り込みました。また、これらの楽曲が収録されたアルバム『First Love』は、これまでに990万枚以上のセールスを記録し、国内のアルバムセールス歴代1位を記録しています。

水野:僕は宇多田さんと同い歳なので、リアルタイムでイチ高校生として聴いて、「うわっ、同い歳の女の子がこんな曲を出してる!」っていう、ただその驚きだけだったんですけど、放送局のほうはどんな感じで宇多田ヒカルさんの登場を捉えてたんですかね? 
藤田:僕はギリギリ、デビューしてないですね。1999年はオーディションのデモテープを作ってたときです。どうだったんですかね? 「すげえ人が出てきた!」みたいな感覚だったっていう後日談は聞いたことがあります。
水野:宇多田さんの評価が、J-POPの評価に変わっていくというか、J-POPの歴史をどんどん変えていっちゃうじゃないですか。
藤田:宇多田さんだけが影響を与えたわけじゃないんでしょうけども、J-POPとJ-WAVEを取り巻く選曲の環境みたいなのも、99年ぐらいからまた変わってきたんじゃないかって僕は勝手に思ってるんです。

1999年の年間チャートには、宇多田ヒカルのほか、MISIA、UA、bird、スガシカオ、TOWA TEI、山崎まさよし、DOUBLE、CHARA、Mr.Children、TRICERATOPS、the brilliant green、Dragon Ashと、人気アーティストによる邦楽が20曲近くチャートインしています。それまで邦楽が1桁前半しかチャートインしなかったことを踏まえれば、その激変ぶりは驚くべきところと言えます。

水野:趣味を超えてましたからね。音楽に興味がない人も音楽を聴いてるっていう状態が生まれたのが、あの時代なのかもしれないですね。

■「J-POP」が細分化される

2000年、ミレニアム時代を迎えたこの年の年間チャートは、上位の多くを洋楽が占めているものの、全体的には邦楽と半分ずつと言ってもいいほど、多くの邦楽がチャートインする結果となりました。J-WAVEの30周年記念ソングを手がけ、ナビゲーターも務めている平井 堅がチャートインするようになってきたのもこの頃です。J-WAVEでオンエアされている邦楽に大きな変化が見られます。それまでの邦楽と比べると、音楽のジャンルやサウンドが多様化しているのが特徴です。

また、「J-POP」という言葉をJ-WAVEが生み出したことにより、それまで「ロック」、「フォーク」、「ポップス」など、細分化されていたジャンルが一本化されていたけれど、この時期を境に取り上げる楽曲の多様化が進んだことで、「ロック系J-POP」、「フォーク系J-POP」、「歌謡系J-POP」など、また細分化されるようになりました。

「J-POP」という言葉が、「J-WAVEがかけている邦楽」と、「世の中で急速に使われるようになった広義の意味でのJ-POP」というふたつの意味で、少しずつズレが生じることとなりました。

水野:途中から「J-POP」の意味がネガティブなイメージになったのは、なんなんですかね? 自分たち自身で「J-POP」って言わなくなったっていうか。いきものがかりは、デビューしたときに「珍しい」って言われたんですよ。「J-POPでーす!」って言ったら、「おまえらJ-POPなんだ?」「言っちゃうんだ、それ」みたいな(笑)。
藤田:いい部分と悪い部分があって、言葉が広まっていったことにより、「それに当てはまる=売れている」みたいなニュアンスが、言葉のイメージで受け取れる部分もある。しかし、「J-POP」という言葉は本来、「売れている」「マスメディアにウケている」という意味は一切ないんですよ。
水野: J-WAVEは、まったく別の意味で使ってたと思う。
藤田:そうそう。言葉のひとり歩き。世に広まるってそういうことかもしれない。
水野:最初にJ-WAVEが「J-POP」っていう言葉を使ったときに指していたアーティストは、今の「J-POP」のイメージとは全然違うアーティストが多いと思う。
藤田:そのアーティストたちが、ものすごく評価された結果に売れていくという、整合性が出てくるっていうのもまた面白いですね。

そうしたなか、J-WAVEでは、1曲のJ-POPが金字塔を打ち立てます。それが椎名林檎『虚言症』でした。この曲は、2000年4月16日付の『TOKIO HOT 100』ウィークリーチャートで、邦楽で初の1位に上り詰めました。

水野:この曲なのが面白いよね。『本能』とかじゃないんだね。
藤田:J-WAVEらしさみたいなところが出てますよね。

続きは9日(火)のオンエアで紹介します。時間は22時10分頃からです。お聴き逃しなく!

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【番組情報】

番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時−24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/

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