厚真の土砂崩れ「もろい層、雨水浸透が要因」

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厚真町で発生した土砂災害の要因について語る中津川教授

 9月6日に発生した胆振東部地震では、厚真町で大規模な土砂崩れが発生し、多くの犠牲者を出すきっかけとなった。土砂災害や洪水などを研究する室蘭工業大学大学院工学研究科の中津川誠教授(56)は、「地震は原因の一つだが、堆積した火山灰層のうち、もろく水がたまりやすい層に前日の雨水が浸透したことが大きな要因」と語る。また室蘭市の防災についても注意を喚起する。

 風化した火山灰は水を含むと粘土状になるという。「画像を見ると厚真町ではほぼ例外なく斜面が崩れており、泥流となって斜面から離れた場所まで流れているように見える」と中津川教授。町の再興に向け、斜面から離れた地点を考慮する必要があると語る。

 このほか、苫東厚真発電所の強制停止に伴う全道停電を踏まえたリスク分散の重要性を強調。「発電所だけでなく、石油やガスも複数箇所に備蓄をしておくことが求められる。JXTGエネルギーは、石油製品の生産停止以降も備蓄基地として役割を果たしてもらいたい」と機能維持を訴える。

 室蘭市の問題については、土砂災害警戒区域及び同特別警戒区域が多い点を指摘する。8月17日現在、市内の土砂災害警戒区域は278カ所で、住民の生命などに危害が生じるリスクのある同特別警戒区域は227カ所。計500カ所以上の警戒区域を抱えている地域ということだ。教授は「室蘭は急斜面が多い地域。時間をかけてでも安全なまちづくりを心掛けていることが重要」と語る。(北川誠)